ブロードウェイ・ミュージカル「キンキー・ブーツ」。2013年のトニー賞で作品賞を含む6部門を制した人気ミュージカルです。
僕は正直に言うと、今回のシンディの来日で、シンディがこの音楽全曲を手掛けていたことを知りました。ごめんねシンディ m(__)m。

キンキーブーツ(ミュージカル)ウィキペディア
キンキーブーツ 公式サイト(日本)


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◆ウィキペディア情報から。

ローパーは作曲開始当初、異なるキャラクターそれぞれの一貫性が必要なことを考えた[27]。ローパーは当時の苦労について「いったいどれほどファッション、おかしな関係、人々の心変わり、そして靴のことを広げて書けばいいのよ」と冗談を言った。ローパーが作曲した1曲目は歌声の音域の幅広いオープニングの曲であった。曲が思い浮かぶとiPhoneに吹き込み、編曲家のスティーブン・オレマスが楽譜に起こした。オレマスはその後「ハーモニーにメロディを吹き込み、シーンや歌に合う付随音楽を作成」し、曲を編曲した。音楽性は「個性に合わせた歌詞に合わせたポップ、ファンク、現代風タンゴなど」幅広い。『ニューヨーク・タイムズ』の批評家メリナ・ライジックは「さびや盛り上がる曲が多いが、『キンキーブーツ』の感動的なシーンは双方の親の心情を表すいくつかのバラードであった」と記した。

シンディが「キンキーブーツ」で書き下ろした1曲「Not my father's son」。しっとり、そして力強く歌うシンディがどんなことを歌っていたのか知りたくて、ネットで歌詞を検索し日本語訳をしました。

◆「Not my fathers son」はミュージカルでは第1幕でローラとチャーリーが歌うようですね。(日本でのキャストは三浦春馬さんと小池徹平さん)

ローラもチャーリーも「父親の期待には応えられなかった悲しみ」と「自分らしく生きることへの誇り」を告白するんですね。


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(Cyndi Lauper)

:原詞は太字
(シンディが歌うデモヴァージョンと、ミュージカルでローラが歌う歌詞とは若干の違いがあるようです...)

When I was just a kid
Everything i did, was to be like him
Under my skin

僕がただの子どもだった頃
何でも 父さんと同じように
することを求められてたんだ
僕はいらついてたよ

My father always thought
If i was strong and fought
Not like some albatross, id begin
To fit in

父さんはいつも願ってた
僕が強くて勇ましくあれとね
だから 心配のもとにならないよう
僕は応えようとし始めたんだ

Look at me powerless and holding my breath
Trying hard to repress what scared him to death
It was not that easy to be his type of man
To breathe freely was not in his plan
And the best part of me
Is what he wouldn't see

僕を見て 力なく 息をひそめてる僕を
父さんを死ぬほど怖がらせたことに
必死に耐えているんだ
父さんの望むような男になるのは簡単じゃなかった
自由に息を吸う生き方は父さんの理想じゃなく
そして僕の一番いいところこそ
父さんが決して見たくないものだ

I'm not my fathers son
I'm not the image of what he dreamed of
With the strength of sparta
and the patience of job
Still couldn't be the one
To echo what he'd done
And mirror what was not in me

僕は父さんの望む息子じゃない
僕は父さんが思い描いた理想じゃない
スパルタのような強さや
ヨブのような忍耐力があっても
父さんがしてきたことを
そっくり真似たり できなかったし
父さんの鏡には僕は映ってなかった

So i jumped in my dreams and found an escape
Maybe i went to extremes of leather and lace
But the world seems brighter 6 inches off the ground
And the air seemed lighter
I was profound and i felt so proud
Just to live out loud


だから僕は夢の世界に飛び込んで
逃げる道を見つけたんだ
革とレースの極端な場所だったかもしれないけどね
でも地面から6インチ離れた世界は輝いて見えて
空気が軽くなった気がしたのさ
僕は心の底から 誇りに思ったんだ
こうして自分の信じる道を生きていくことを

I'm not my fathers son
I'm not image of what he dreamed of
With the strength of sparta and the patience of job
Still couldn't be the one
To echo what he'd done
And mirror what was not
In me


父さんの望んだ息子じゃない
父さんの思い描いた理想じゃない
スパルタのような力や
ヨブのような忍耐力を持ってても
それでもなれなかったんだ
父さんの生きざまの真似はできない
父さんの鏡には僕の姿は映ってない

The endless story of expectations wiring inside my mind
Wore me down
I came to a realization and i found a way to turn it around
To see
That i could just be me


終わりのない期待が僕の頃のなかに渦巻いて
僕をすり減らしていった
そこで気が付いたのさ くるっと向きを変えて見ることを
僕は僕でしかないんだってことを

I'm not my fathers son
I'm not the image of what he dreamed of
With the strength of sparta and the patience of job
Still couldn't be the one
To echo what he'd done
And mirror what was not in me


僕は父さんの望んだような息子じゃない
僕は父さんの思い描いた理想じゃない
スパルタのような力や
ヨブのような忍耐力があっても
なれないものはなれないんだ
父さんの生きざまの真似はできない
父さんの鏡には僕の姿は映ってなかったんだ...

(Words and Idioms)
get under someone’s skin
=(その人の)癪にさわる、いらつかせる、(その人を)すっかり魅了する
albatross=アホウドリ、心配のもと
repress =〔感情などを〕抑え込む、こらえる
scared to death=死ぬほど怖がっている、おびえきっている
profound=〈悲しみ・欲望などが〉心の奥底からの,深い,激しい
live out loud=他人のことも気遣いながら、自分の信じる処を目指し大胆に
生きる
wear down=(…を)すり減らす,摩損する

日本語訳 by 音時

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◆歌詞のなかで出てくるスパルタ。はい、「スパルタ教育」の「スパルタ」です。ペルシア戦争ではギリシア軍の主力で「力」の象徴。
 そして「job」は旧約聖書の「ヨブ記」の「ヨブ」。様々な苦しみのなかでも神への信仰を貫いた人物として、この曲でも「ヨブ(のような)忍耐力」(the patience of job)として歌われています。

◆こちらのWebページに、ミュージカル「キンキーブーツ」の演出・振付を担当したジェリー・ミッチェルへのインタビューが掲載されています。
ミュージカル音楽を作る際にシンディとのやりとりや「Not my father's son」についてのコメントも載っていますので興味ある方はこちらをどうぞ