昨日まで、世界中の誰もが知っていたビートルズ。
今日、僕以外の誰も知らない...。




映画「イエスタディ」もなかなかよかったです。(公式サイト

◆うーむ、僕は、藤井哲夫さん原作、かわぐちかいじ氏作画の「僕はビートルズ」に夢中になったクチなので、こちらはタイムスリップ、映画はなぜかみんなビートルズを知らない?という違いはありつつも、やっぱりこりゃアイデア丸パクリでしょう!と少々憤慨するところがあります。でも、ビートルズの楽曲が歌われて、エド・シーランも登場というこの映画、まだ観ていない人は必見です!

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◆さて「Help!」...この曲の作者クレジットは(Lennon / McCartney)ではありますが、主にジョンの作によるこの曲は、ビートルズのまた名曲、最高傑作と言ってもよいかもしれません。この曲も映画で使われているようなので、今回、取り上げました。




最初から最後まで、スピード感を持って“駆け抜けていく“曲。ジョンのメインボーカルとコーラスの掛け合い、ファルセットで“ウォンチュ・プリ~ズ・ヘルプ・ミー“と歌うあたりの曲構成など、この曲の魅力を語りあおうとすれば、時間がいくらあっても足りないくらいでしょう。

◆僕が初めてこの曲を知ったのは、映画「ヘルプ/4人はアイドル」の主題歌=同名タイトル曲として、でした。なんで“助けて!”って言ってるのかな?と言えば、映画のシーンで4人が逃げているシーンが重なってきます。映画自体、ビートルズの4人が“逃げる映画”であって、それにちなんだ歌詞なんだろうなとイメージしていました。でも、実際はそうではなく、実質的な作者ジョンによる「悲痛な叫び」を歌詞にしたもの、だったのだそうです。

HelpBeatles


(Lennon / McCartney)

Released in 1965
US Billboard Hot100#1(3)
From The Album“Help!”

:原詞は太字

Help, I need somebody,
Help, not just anybody,
Help, you know I need someone,
Help!

ヘルプ! 誰か助けてよ!
ヘルプ!誰でもいいってわけじゃないけど
ヘルプ!助けてくれる人が必要なんだ
たすけて!

When I was younger,
so much younger than today,
I never needed anybody's help in anyway.
But now these days are gone,
I'm not so self assured,
Now I find I've changed my mind,
I've opened up the doors.


僕が若かった頃
今よりもっと若かった頃は
何をするにも 誰の助けも いらなかったよ
でも今 そんな日々は過ぎ去って
自分に自信がなくなっちゃったんだ
そして今は自分の考えも変わって
心の扉を開いたってわけなんだ

Help me if you can,
I'm feeling down
And I do appreciate you being 'round.
Help me get my feet back on the ground,
Won't you please, please help me?


できることなら僕を助けて
もう気分は最悪なんだ
もう感謝感激だよ きみがそばに来てくれるなら
助けてよ 僕が立ち直るようになるのをさ
お願いだ  お願いだよ 僕を助けてくれないか

And now my life has changed in oh so many ways
My independence seems to vanish in the haze.
But every now and then I feel so insecure,
I know that I just need you like,
I've never done before.


いま 僕の人生はあらゆる面で変わってしまったよ
自立心も霧のなかに消えてしまったみたいに
でもときどき すごく不安になるんだ
今までになかったみたいに
ただただ きみの助けが必要なんだ

Help me if you can,
I'm feeling down
And I do appreciate you being 'round.
Help me get my feet back on the ground,
Won't you please, please help me?


できるなら僕を助けてよ
この落ち込んでる僕をさ
そしたら恩にきるよ
きみがそばに来てくれたことをね
助けてよ 僕は立ち直りたいんだよ
お願いだ  僕を助けて ね?お願いだよ

When I was younger,
so much younger than today,
I never needed anybody's help in anyway.
But now these days are gone,
I'm not so self assured,
Now I find I've changed my mind,
I've opened up the doors.


僕が若かった頃
今よりもっと若かった頃は
何をするにも 誰の助けも いらなかったよ
でも今 そんな日々は過ぎ去って
自分に自信がなくなっちゃったんだ
そして今は自分の考えも変わって
心の扉を開いたってわけなんだ

Help me if you can,
I'm feeling down
And I do appreciate you being 'round.
Help me get my feet back on the ground,
Won't you please, please help me?


できるなら僕を助けてよ
この落ち込んでる僕をさ
そしたら恩にきるよ
きみがそばに来てくれたことをね
助けてよ 僕は立ち直りたいんだよ
お願いだ  お願い 僕を助けてよ

Help me,
Help me,
Ooooooo.

ヘルプ・ミー
ヘルプ・ミー
Ooooooo.


(Words and Idioms)
every now and then =時々、時折

日本語訳 by 音時

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◆ジョンは次のように語っています。

“Heip!”の歌詞は今でもいいと思ってる。当時の自分のことに気付いて安心感を与えてくれる。助けを求めて叫んでいるのは僕自身だったんだ。
映画を観ればわかると思うけど、とても太っていて不安定で、完全に自分を失っていた。僕は昔はどんなに気が楽だったかなんて振り返りながら歌っていたし。太って、落ち込んで、救いを求めて叫んでたんだ。
 この2曲(Strawberry Fields Forever)は僕のベスト・ソングだね。2曲とも体験を元に書いたもので、自分自身をあるシチュエーション投影することなく、自分の体験を素敵な物語に作り上げたんだ。
(1970年12月8日 ローリングストーン誌のインタビュー)

“多くの人に歌を聴いてもらいたい“…ミュージシャンであればだれもがそう思うでしょう。そんななかビートルズの人気は過熱していき、メンバーたちは自分の夢が実現するのもワクワクしていたと思います。でも、あまりにも加熱した人気のなかで、ジョンは“太って”いくことへの不安を感じていたんですね。

 この曲のいちばんのスゴイところは、そんな不安を“明るい”“スピーディー”なポップサウンドで表現しているところ、かなと思います。メインボーカルで歌うジョンが“逃げていく”ところをコーラスが追いかけていく…そしてラストは“Help Me”を3回言って落ち着いて消えていく声...。“助けてよ”と言っていた主人公はどうなってしまったのでしょうか? 聴者の想像にゆだねます。

350Help


◆この曲のウィキペディアにはそのほかこんな情報もありました。

・映画ではオープニングとエンディング前で使用されている。邪宗・カイリ教の教祖クラングが「ヘルプ!」を歌い演奏するビートルズのフィルム映像(モノクロ)を眺めながらダーツを投げつけるシーンである。
・ジョン・レノンはこの曲を1969年の「ゲット・バック・セッション」でも即興で演奏。翌1970年には自宅スタジオにて「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」などとともにブルージーなアレンジで再録音を試みている。1980年のインタヴューでも「これら2曲と「アイ・アム・ザ・ウォルラス」を再レコーディングして、リリースしたい。」と答えている。また、1981年に計画されていた来日公演の予定セットリストでは、オープニング・ナンバーとしてこの曲が予定されていた。
・スーパーマーケット『イトーヨーカドー』で食料品レジが混雑した時に、他の売り場のレジ担当店員を応援に呼ぶための店内符牒として、この楽曲のインストルメンタルが用いられる。

イトーヨーカドーの話は知らなかったなあ(^.^)。今でもそうなのかな?

(この記事で参考にしたもの)
・ビルボード・ナンバー1・ヒット1955-1970上(音楽之友社)
・映画「イエスタディ」公式サイト