夏が過ぎて行きます…やっぱりこの曲が合いますね…。
(既掲載曲です)
◆「夏の男たちが去っていった後も」。
◆「夏の男たちが去っていった後も」。
夏の恋は本気もあるけれど、ひと夏の恋を求める若者たちが沢山います。そんな男たちは夏とともに去っていくけど僕の愛は…。
…このようなラブソングの歌詞であると同時に、ほかにも意味を持たせているところがこの曲の(ドン・ヘンリー)の魅力なのでしょう。
先に歌詞と日本語訳をどうぞ。
Songwriter(s)
Don Henley Mike Campbell
Lyrics c Warner/Chappell Music, Inc.,
Don Henly/Glenn Frey/Eagles
Released in 1984
US Billboard Hot100#5
From The Album"Building the Perfect Beast"
:原詞は太字
Nobody on the road,
Nobody on the beach.
I feel it in the air,
The summer's out of reach.
Nobody on the beach.
I feel it in the air,
The summer's out of reach.
通りには誰もいなくなった
浜辺にも誰の姿もない
吹く風に感じるのさ
夏がもう過ぎてしまったことを
Empty lake, empty streets,
The sun goes down alone.
I'm driving by your house
Though I know you're not home.
誰もいない湖 誰もいない大通り
太陽も一人ぼっちで沈んでいく
僕はきみの家に車を走らせる
きみがいないってわかってるのに
But I can see you,
Your brown skin shining in the sun.
You got your hair combed back
And your sunglasses on, baby.
I can tell you my love for you
will still be strong
After the boys of summer have gone.
Your brown skin shining in the sun.
You got your hair combed back
And your sunglasses on, baby.
I can tell you my love for you
will still be strong
After the boys of summer have gone.
だけど僕にはきみが見える
褐色の肌が太陽に照らされて輝いてる
髪を後ろにとかして
サングラスをかけていたね ベイビー
きみに伝えるよ 僕のきみへの愛は
まだ色あせてないってことを
夏の男たちがみんないなくなってしまっても
I never will forget those nights.
I wonder if it was a dream.
Remember how you made me crazy,
Remember how I made you scream.
あの幾夜ものことは決して忘れない
夢だったかもしれないと思ってる
きみが僕を夢中にさせて
僕がきみに声をあげさせたのを覚えてる
I don't understand what happened to our love.
But, baby, I'm gonna get you back,
I'm gonna show you what I'm made of.
But, baby, I'm gonna get you back,
I'm gonna show you what I'm made of.
僕らの愛はどうなってしまったの?
でもベイビー きみを取り戻すんだ
僕がどんなヤツなのかきみに見せてやる
でもベイビー きみを取り戻すんだ
僕がどんなヤツなのかきみに見せてやる
I can see you,
Your brown skin shining in the sun.
I see you walking real slow
And you're smiling at everyone.
And I can tell you my love for you
will still be strong
After the boys of summer have gone.
Your brown skin shining in the sun.
I see you walking real slow
And you're smiling at everyone.
And I can tell you my love for you
will still be strong
After the boys of summer have gone.
きみの姿が目に浮かぶ
褐色の肌が太陽に輝いて
きみはゆっくりゆっくり歩いて
みんなに微笑みかけているんだ
きみに伝えるよ
僕のきみへの愛は力を失ってないって
夏が過ぎていってしまうように
他のヤツらが去っていっても
Out on the road today
I saw a Deadhead sticker on a Cadillac.
A little voice inside my head said:
"Don't look back, you can never look back."
今日 車で走っていたら
"デッドヘッド"のステッカーを貼ってる
キャデラックが売られてるのを見たよ
僕の頭に小さな声が囁いた:
"振り向くな
お前は決して振り向くんじゃない"
"デッドヘッド"のステッカーを貼ってる
キャデラックが売られてるのを見たよ
僕の頭に小さな声が囁いた:
"振り向くな
お前は決して振り向くんじゃない"
I thought I knew what love was.
What did I know?
Those days are gone forever.
I should just let 'em go, but
What did I know?
Those days are gone forever.
I should just let 'em go, but
愛って何か わかってるつもりだったけど
僕は何を知ってたというのか?
あの日々はもう帰ってこない 永遠に
僕は忘れなきゃいけないんだ でも
僕は何を知ってたというのか?
あの日々はもう帰ってこない 永遠に
僕は忘れなきゃいけないんだ でも
I can see you,
Your brown skin shining in the sun.
You got that top pulled down,
And that radio on, baby.
And I can tell you my love for you
will still be strong,
After the boys of summer have gone.
Your brown skin shining in the sun.
You got that top pulled down,
And that radio on, baby.
And I can tell you my love for you
will still be strong,
After the boys of summer have gone.
ああきみの姿が目に浮かぶ
太陽の下で輝くきみの褐色の肌
きみは日よけのホロを降ろして
ラジオをつけたんだ ベイビー
僕は胸を張って言える
きみへの愛はまだ息づいてるんだって
夏のように誰もが去っていっても
僕はここにいるんだって
太陽の下で輝くきみの褐色の肌
きみは日よけのホロを降ろして
ラジオをつけたんだ ベイビー
僕は胸を張って言える
きみへの愛はまだ息づいてるんだって
夏のように誰もが去っていっても
僕はここにいるんだって
I can see you,
Your brown skin shining in the sun.
You got that hair slicked back,
And those Wayfarers on, baby.
And I can tell you my love for you
will still be strong,
After the boys of summer have gone.
Your brown skin shining in the sun.
You got that hair slicked back,
And those Wayfarers on, baby.
And I can tell you my love for you
will still be strong,
After the boys of summer have gone.
きみの姿が見える
褐色の肌が太陽に輝いて
髪をなめらかに後ろになでつけて
ウェイファラーをかけているんだ ベイビー
僕のきみへの愛は
ずっと変わっていない
夏の男たちが去ってしまった後でも…
褐色の肌が太陽に輝いて
髪をなめらかに後ろになでつけて
ウェイファラーをかけているんだ ベイビー
僕のきみへの愛は
ずっと変わっていない
夏の男たちが去ってしまった後でも…
僕は何も変わっちゃいないんだ…
(Words and Idioms)
comb back=髪を後ろにとかす
be made of=~からできている
Deadhead=ロックバンド「グレイトフル・デッド」のファンのこと
slick=なめらかな つやつやした
Wayfarers=レイバンの人気モデル
日本語訳 by 音時
◆この曲が単なるラブソングではないことは、この曲のWikipediaでも書かれています。また、そのなかでもドンのインタビューでのコメントも紹介されています。
この曲が持つ二つ目の意味は、だれもが年を重ねていき青春時代(youth)に別れを告げ、成長していくこと、でしょう。ドンの曲ではソロの3枚目の“The End Of Innocence”や、その次の「Inside Job」に収められた“Taking You Home”も同じ主題かと思います。
一世を風靡したロックバンド"Greatful Dead"のファンたちは"Deadhead"と呼ばれ、そのシンボルマーク"Deadhead"のステッカーを中流階級の象徴であるキャデラックに貼って、いろいろな場所で乗り回していた若者~青いブレザーにグレイのズボン~が多かったんでしょうね。
1985年のNMEのインタビューでドンは、サンディエゴで車を走らせてたときに、ステッカーが貼られたキャデラックの中古車が売られてるのを見たときに、"自分たちの世代が終わったんだ"と思ったそうです。(as an example of his generation selling out)
1985年のNMEのインタビューでドンは、サンディエゴで車を走らせてたときに、ステッカーが貼られたキャデラックの中古車が売られてるのを見たときに、"自分たちの世代が終わったんだ"と思ったそうです。(as an example of his generation selling out)
◆三つ目の意味は、アメリカ合衆国の社会についての批判、です。これは名曲"Hotel California"でも込められたメッセージですよね。ドンはこうでなくっちゃ!(笑)
1987年のRolling Stone誌のインタビューでドンは次のように言っています。(英文を僕が和訳したので処々にいい加減さがありますのでご勘弁を)
1987年のRolling Stone誌のインタビューでドンは次のように言っています。(英文を僕が和訳したので処々にいい加減さがありますのでご勘弁を)
"僕らが本当に十分に成しえたかなんてほとんど信じてないんだ。ケネディ大統領のときに誰もが"一度は信じたと思うけど、僕らが何をしたかよく見てごらんよ。60年代はまるで地獄のような時代だったろう。それから70年代に考えついたことは何だった?ニクソンやレーガンの時代さ。この国は以前に逆戻りさ。率直に言って僕らはちっとも変ってないんだ。"The Boys Of Summer"の歌詞の最後の一行はそのことを言ってるんだ…。"
(さらにこの後が続きますが、興味のある方はこの曲のWikipediaの最下段の"References"などをご参照ください。)
(さらにこの後が続きますが、興味のある方はこの曲のWikipediaの最下段の"References"などをご参照ください。)
…"(僕らが)何も変わってはいないこと"について、ドンはあきらめの気持ちを持っているのかもしれませんね。愛も?時代も?自分たちの意識も?変わるべきときには変わらないといけないのでは?ということがこの曲に込められたドンのメッセージなのでしょうか?僕には手に負えない話になってきたし、このあと展開するには、もっとドンの他の曲などについても研究が必要になってくると思うので、このブログではここまでにしておきます(^▽^;)。
当時、Best Hit USAにも出演してくれました!
当時、Best Hit USAにも出演してくれました!
◆最後に、別のインタビュー(Knoxville.com)では、パット・ベネターのバンドのギタリスト兼彼女の夫である Neil Giraldoが"The Boys Of Summer"について面白いコメントを残しています。
彼らがパットの"Love Is A Battlefield"(1983年 最高位5位)をレコーディングしている最中に、スタジオにドン・ヘンリーが現れました。ドンは"Love Is A Battlefield"のアップテンポのビートについて"僕も真似していいかい?"と許可を得に来た、とのことです!ドンって結構マジメなのかな(^^)
◆ドンはこの曲のビートを参考にしたといいます。Love is a Battlefield by Pat Benatar
コメント
コメント一覧 (12)
想えば、Don Henley, Glenn Frey, Randy Meisner~それぞれの卓越した才能が、Eaglesとして数々の名曲を生み出しましたね。
One of These Nights(呪われた夜)がリアルタイムでした。
当時、高校性で、クラスメイトも皆で最初のイントロを真似してこの曲に狂ってましたよ。それで、その後のHotel California、確か、この曲が全米1位になった時に湯川れい子さんが、『これ以上の曲はできるのか?』と絶賛していたことを思い出しました。しかし、アルバムLong Runで、これも否定しましたね。僕はI Can’t Tell You Why(言い出せなくて)がEaglesの中で一番好きかな。
Eaglesの歌詞は、当時から何かあるぞって思っていましたが、和訳、解説、非常に興味深く読ませて頂いております。
The Boys of Summerは夏の終わりを感じされるだけでなく、解散してしまったEaglesの寂しさや郷愁や余韻を感じさせると思うのは僕だけでしょうか?
But I can see you,
Your brown skin shining in the sun.
の部分のドンの歌い方の感じがすきだなぁ。
音時さんの文章から背景や奥深さが知れてますます魅力的な曲です。
今回のブログでイーグルスを取り上げ、この曲も
歌詞と和訳引用させていただきました。
https://blog.goo.ne.jp/sayusayu_008/e/95c2465cba8affab1d84377c0cd82ed0
たしかこの曲でギターソロを弾いているのも彼だと聞いているのですが、どうなんでしょう?
17歳でデビューとは、日本だとアイドルとして音楽デビューしても当たり前の年齢ですが、日本のようにアイドル文化が根付いていないアメリカだと、17歳で音楽ソロデビューはかなり衝撃的だったように思えます。
この人、今ごろどこで何をしているのやら(ちなみにこの人、私と同い年です)。
そういえばこのチャーリー・セスクストンという人、当時は珍しく17歳でデビューしたもんだから、その愛称は「チャリ坊」でした。
今だと、チャリ坊といえば自転車小僧になってしまうんでしょうか。
かんたさんが、「80sの神曲」と表現していましたが、私も同感です。この「The Boys Of Summer」は私が仕事に付いた年の曲で、聞くたびに元気をもらった曲です。(歌詞の内容は、そんなんじゃなさそうですけどね。 笑) ドンがトラックの荷台に乗って撮影した映像も大好きです。
「Hotel California」の歌詞については、全米トップ40の湯川さんのお話を聞いて知っていたつもりです。でも、この曲も「アメリカ社会への批判」を含んでいたんですね。見事な解釈です。今日も、ナットクです。
よく聞くと、"Love Is A Battlefield"のリズムと共通するところはやっぱりありますが、黙っていれば分からない程度ですね^^
さすがドン・ヘンリー、彼の曲はやっぱり奥が深いのですね。そんなところが彼の曲が支持される理由でしょうし、またあんまりなじめない人もいるかもしれませんね。アメリカで「ホテル・カリフォルニア」が大ヒットしたものの、日本ほど支持されなかったのもそんな理由かもしれませんね。
先ほどのコメントを投稿した直後、アタリス(The Ataris)というパンクグループが2003年に、この曲をカバーしていたのを思い出しました。
PVはこちらになります。
https://www.youtube.com/watch?v=Qt6Lkgs0kiU
大胆なアレンジですが、なぜか原曲のよさが崩れていないのがさすがです。
ちなみに、つい先ほど「ボーイズ オブ サマー」でググったら、なぜか競馬関連の記事にぶち当たりました。
2016年生まれの牝馬で、お父さんがアイルハヴアナザーで、お母さんがサマーロコガールなのだそうです。
それとあともうひとつ、たしか「ボーイズ・オブ・サマー」とは、アメリカでは野球選手のことを指していると聞いたことがあるのですが、本当なのでしょうか?
まさに私にとっての80sの神曲です!!
この曲、PVがとても暗示的だったのがいつも気になっていたのですが、そういうことだったんですね。
ちなみに、70sの神曲はイーグルスの『ホテル・カリフォルニア』です。
両方ともドン・ヘンリー関連になってしまったのは、単なる偶然です。
ただ、後追いで『ホテル・カリフォルニア』のPVを見たときは、「この人が、『ボーイズ・オブ・サマー』のおっちゃんか」と思ったものですが。