"To Be With You"でミスター・ビッグがチャートに登場したとき、最初は同じバンドだと正直思っていました。「ミスター・ビッグ」という名前のイギリスのバンドが、70年代半ばに日本でもそこそこ売れていたのです!(同名のバンドを区別するうえで、こちらのミスター・ビッグを「Mr.BIG UK」としました)

◆「甘美なハード・ロッカー」!「麗しのザンビア」!「恋するロミオ」!…邦題は覚えてるんですよね。雑誌「MUSIC LIFE」でもかなりこのバンドを取り上げてて、レコードの広告もよく出てましたし。きっとサウンドは「甘美なハード・ロック」なんだろうと思っていました(そのまんま)。

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 でもしっかり聴いたのは実は今回が初めて。こんな曲だったんだ!(「恋するロミオ」は確かに"甘美なハード?ロック"って感じ。なかなかステキですね。2人でボーカルを取り、コーラスも爽やか。途中のブルースハープも、最後の転調もいい感じです。)

◆ウィキペディアの「ミスター・ビッグ(イギリスのバンド)」よりプロフィールです。
ミスター・ビッグ(Mr.Big)は、イギリスのロック(ポップ・ロック)バンド。ディッケンことジェフ・ペインによって結成され、1977年にヒットした『恋するロミオ(Romeo)』が最もよく知られている。バンドとしての活動期は、1972年から1978年にかけての第1期と、1990年から1998年にかけての第2期、2005年から現在の第3期に分けられる。

なんでも当初は"バーント・オーク(Burnt Oak)"という名前で活動していたらしいですが、マネージャーがチラシにバンド名を勝手に"Mr.BIG"と変えて印刷して配ってしまったらしい…(-_-;)。
*CD『ミスター・ビッグ/フォトグラフィック・スマイル』のライナーノート(解説・赤岩和美)には別の説が紹介されている。デイリー・ミラー紙で、ヨーロッパのポルノ・キング(別名ミスター・ビッグ)逮捕の新聞記事が大きく出ていたのを見て、メンバー自ら改名した、ということである。

MRBIG


1974年のエピソードは面白いです。BBCの警察ドラマ『Softly, Softly: Taskforce』に出たらしいのですが、そのときはポール・ニコラス(en:Paul Nicholas)をリード・シンガーに迎えて出演した。あの(「Heaven On The 7th Floor」のポール・ニコラス")ですね。

 ファースト・アルバム『甘美のハード・ロッカー(Sweet Silence)』を発表したのち、クイーンやスイートのサポートバンドとしてツアーを行い、1977年にはトム・ペティ、ジャーニー、カンサス、ザ・ランナウェイズと一緒にアメリカ・ツアーを行いました。そして、アルバム『フォトグラフィック・スマイル』からシングル・リリースされた『恋するロミオ』が全英シングルチャートで第4位になった、とのことです。

RomeoMrBIG


Written-By – Dicken

Released in 1976
UK Single Chart#4
From The Album"Photographic Smile"

:原詞は太字

I am the morning, you are the light
You make the morning such a beautiful thing
I am the green grass, you are the rain
Fall on me, make me grow
No-one will ever know
Fall on me make me grow again

僕が朝なら きみは朝の光
何げない朝をきみが素敵にしてくれる
僕が青草なら きみは雨
僕に降ってくれ そして育ててよ
誰も気づかないのさ
きみが何度も
僕を元気にしてくれてることに

I am the spirit, you are the light
You make the sun shine brighter,
you make me smile
I am the water, you are the rose
Oh lady of the land
Come to me take my hand
Until tomorrow I'm your man

僕は精霊 きみは射す光
きみが太陽をより輝かせて
僕を笑顔にしてくれる
僕は水 きみは薔薇
ああ この地で一番素敵な花さ
こっちにきて僕の手を取って
明日までには
きみの恋人になっちゃうから

Step back in time
 dear Romeo she said
Step back in time
 please take me to your bed
Step back in time
 dear Romeo
My Juliet and take me home


ちょっと前の時代に戻って
 "ねえ ロミオ"って彼女が言う
ちょっと時間をさかのぼって
 "わたしをあなたのベッドに連れてって"
あの時代の恋人どうしのように
 "ねえ ロミオ"っていう彼女
"僕のジュリエット きみの家に連れてって"

I am the darkness, you are the night
You make the darkness such a beautiful thing
I am the mountain, you are the snow
Fall on me make me grow
No-one will ever know
Fall on me make me grow again


僕が暗闇なら きみは夜
暗闇だってきみが素敵なものにしてくれる
僕が山なら きみは雪
僕に降り積もり雪で美しくして
誰もわかりはしないよ
きみが何度も僕を
元気にしてくれてることを

Step back in time
 dear Romeo she said
Step back in time
 please take me to your bed
Step back in time
 dear Romeo
My Juliet and take me

ちょっと前の時代に戻って
 "ねえ ロミオ"って彼女が言う
ちょっと時間をさかのぼって
 "わたしをあなたのベッドに連れてって"
あの時代の恋人どうしのように
 "ねえ ロミオ"っていう彼女
"僕のジュリエット きみの家に連れてって"

Step back in time
 dear Romeo she said
Step back in time
 dear now
Step back in time
 dear Romeo she said
Step back in time
 please take me to your bed
Step back in time
 dear Romeo
My Juliet and take me

"ねえ ロミオ"って彼女が言う
"わたしをあなたのベッドに連れてって"
"ねえ ロミオ"
"僕のジュリエット きみの家に連れてって"
あの時代の恋人たち
ロミオとジュリエットのように…

(Words and Idioms)
step back in time =少し前の時代に戻る


日本語訳 by 音時

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◆その後、彼らは1978年、モット・ザ・フープルのイアン・ハンターをプロデューサーに迎えてサード・アルバムをレコーディングし、再びUKツアーを行いましたが、ほどなくしてバンドは解散。いったんお蔵入りになり"幻のサードアルバム"となってしまったようです。が、2001年にようやくリリースになりました。タイトルは「Seppuku」…ん?"切腹"かよ!?
2011年には実に33年ぶりとなるミスター・ビッグ名義での4枚目のアルバム『Bitter Streets』が完成。同年7月に発売されたとのことです。

◆「恋するロミオ」ですが、「きみが○○なら、僕は××」というパターンの歌詞、結構ありますよね。二つはペアであり、二つが一緒になるとより魅力が増す、というものを、"お似合いの二人"とか"切っても切れない運命"なのだよ!ってことが言いたい訳です。

I am the morning, you are the light
I am the darkness, you are the night

はいいですよね。"light"と"night"で韻も踏んでます。

I am the green grass, you are the rain
I am the water, you are the rose
I am the mountain, you are the snow

も悪くはないかな。でも植物とH2Oが僕だったり彼女だったり。

I am the spirit, you are the light

は「精霊」と「光」と訳したけどよかったのかな。

でも1stと2nd verseで、両方とも彼女が「Light」っていうのがちょっと歌詞的に未完成な感じがしました。何か同じ発音で韻を踏める言葉がないですかね。


◆これが日本のデビュー・シングルじゃないかな。「ワンダフル・クリエイション」。このコーラスがキメ、のところはラジオで聴いたことあるぞ!


◆シングルにもなった「麗しのザンビア」。なんじゃこのアジアンテイストは(-_-;)!?
"ザンビア"って中国だっけ?と思ってしまった。



◆"Romeo"の2011年バージョンがあるんだ。でも…やっぱ"Romio"は1970年代のディッケンの声が若いのがいいよね。