The whoの"ピンボールの魔術師(Pinball Wizard)"もいいのですが、僕は映画「トミー」のこの場面をテレビで観たんだったかな~?エルトン・ジョンが"ロックン・ロールをする!"っていうのを目のあたりで見て好きになってしまいました。

 エルトンはバラードもいいし、メロディアスなポップス曲もいいのですがこれだけギラギラの衣装で"演じる"エルトンも好きですね!この曲、シングル持ってました。

◆あらためてディスコグラフィーを確認すると、この曲はエルトンとしてはアルバム"ロック・オブ・ザ・ウェスティーズ"の発売後、"Island Girl"を全米1位にして、次のシングル"Grown Some Funk Of Your Own(今夜は怖いぜ!)"を全米14位。キキ・ディーとの"恋のデュエット(Don't Go Breaking My Heart)"を大ヒットさせる前だったんですね。
 日本に住んでる僕は、普通に「今夜は怖いぜ!」はあまりヒットしなかったけど、エルトンのこの曲はスゴイぞ!と興奮してましたが全米ではシングルカットがなかったようです(これは知りませんでした)。

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◆映画「トミー」も印象的。「キメ手はロック 映画101選」(音楽之友社)より:

英国を代表するロック・グループ、ザ・フーの69年の大作アルバム「トミー」の映像化。アルバムはロック・オペラの名作として評価されるが、映画は公開時は賛否両論。特にロック・ファンには不評だった。しかし後にカルトムーヴィーとなる。セリフなし全編音楽が流れる…

 ザ・フーのロジャー・ダルトリーが目が見えず、口も聞けず、耳も聞こえないという三重苦。"このロック・オペラを見よ!"とばかり、雑誌「ミュージック・ライフ」でも広告が出ていましたが、映画を観に行くというとがまだ日常ではなかった(映画館も今ほど多くなかったしね)当時、観に行くことはできませんでしたね。でもそのなかでの「ピンボールのチャンプ」(エルトン)とトミー(ロジャー)の「ピンボールの対決シーン」は何かで観たんだよな。これが印象的でした。

◆もうだいぶ経ってテレビで放映された「トミー」。今でもハードディスクに録画してとってあります(←DVDとか買わんかい!)この「ピンボール対決シーン」エルトンのバックのザ・フーのメンバーのドラムやギターのぶっ壊しもサイコーです。でもこの場面は映画のクライマックスではないんですね。時間にして中間くらい。

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Songwriters TOWNSHEND, PETE
Lyrics c Universal Music Publishing Group

Released in 1976
UK Single Chart#7
From The Album"Tommy Soundtrack"

:原詞は太字

Ever since I was a young boy
I've played the silver ball
From Soho down to Brighton
I must have played them all


ガキの頃からずっと
銀のボールをはじいてたんだ
ソーホーからブライトン
いろんな町で
俺はピンボールを
楽しんでたに違いないよ!

But I ain't seen nothing like him
In any amusement hall
That deaf, dumb and blind kid
Sure plays a mean pinball


だけどアイツみたいなヤツは
どのゲーセンでも見たことないのさ
耳の聞こえない
しゃべることのできない
目が見えないアイツ
間違いなく
すげえピンボールを打ちやがるんだ

He stands like a statue
Becomes part of the machine
Feeling all the bumpers
Always playing clean


彫刻みたいに立ちんぼなんだけど
アイツはマシンと一体になる
バンパーの気持ちになっちまうんだ
いつだって卑怯なことはしない

Plays by intuition
The digit counters fall
That deaf, dumb and blind kid
Sure plays a mean pinball


アイツは直感でプレイする
得点盤が動き出すよ
耳が聞こえず口もきけず
目も見えないガキなのに
ピンボールの腕前が
なんてスゲえヤツなんだ!

He's a pinball wizard
There has to be a twist
A pinball wizard's
Got such a supple wrist


ヤツはピンボールの魔術師
"からくり"があるはずさ
まるでピンボールの魔術師
しなやかな手首を持ってるんだ

How do you think he does it?
I don't know
What makes him so good?

「アイツがどうやって
それをするのか」って?
俺にもわからないよ
「なにがアイツをあんなに
スゴくさせちまうんだろ?」

Ain't got no distractions
Can't hear no buzzers and bells
Don't see no lights a flashing
Plays by sense of smell


気が散るってことがないんだ
ブザーやベルの音も聞こえない
せん光が光っても見えないから
嗅覚のみでプレイしてるのさ

Always has a replay
Never tilts at all
That deaf, dumb and blind kid
Sure plays a mean pinball


必ずリプレイまで持っていく
揺らしてティルトなんてなりやしない
耳が聞こえず口もきけず
目も見えないガキなのに
ピンボールの腕前がスゲえヤツなんだ

He can't beat me now
I've always been the champ
I know every trick,
no freak's gonna beat my hand


アイツは今はまだ俺を負かせない
俺がいつだってチャンプだったのさ
俺はピンボールを知りつくしてる
俺を負かせる野郎なんてどこにもいない

Even on my favorite table
He can beat my best
His disciples lead him in
And he just does the rest


俺がお馴染みの台でプレイしても
アイツは俺のベストの上を行く
子分たちがアイツを台に案内したら
あとはアイツの独壇場さ

He's got crazy flipper fingers
Never seen him fall
That deaf, dumb and blind kid
Sure plays a mean pinball


フリッパーのようなスゲえ指を持ってるんだ
アイツが負けたのを見たことがない
聴こえない 話せない 目の見えないガキ
そいつがスゲえピンボールを
打ちやがるのさ!

He's a pinball wizard,
he's scored a trillion more
A pinball wizard,
the world's new pinball lord
He's scoring more,
he's scoring more

アイツはピンボールの魔術師
数えきれない高得点を叩きだす
ピンボールの魔術師
新しいピンボールの神様の誕生さ
ヤツはまたスコアを更新
ヤツはまだまだ…

I thought
I was the Bally Table king
But I just handed
my pinball crown to him
to him、to him…

俺は自分を
"ボールゲームの王様"
と思っていたけど
たった今
ピンボールの王冠を
アイツに明け渡したよ…
アイツに
アイツに…

日本語訳 by 音時

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◆歌詞の中に出てくるピンボール用語について…!

(バンパー)BUMPER
大抵はフィールドの上部・中部端にあり、ボールが触れると勢い盛んにドカドカ弾き飛ばす円筒形の装置。尚、弾き飛ばす機能の無いちっちゃなキノコ型バンパーのことを区別して“マッシュルームバンパー”と呼んでいます。

(フリッパー)FLIPPER
通常プレイフィールド下部の左右一対にある、ボールを弾き返すバット状のようなパーツ。ゴム製のラバーが巻いてあります。台側面左右のボタンで上げ下げでき、ボタンの押しっぱなしで上げたままの状態にすることができます。また、古い呼び名でピンボールマシンそのもののことを“フリッパーゲーム”と呼ぶこともあります。

(ティルト)Tilt
英語で「傾ける」という意味。台を傾けたり揺らしたりするようなインチキは機械自身が反応します。それが反則の判定="ティルト"。その場でゲーム終了です。

(Bally Table King)
"Bally"というのはピンボールマシン製造の大手メーカーです。ですので"Bally Table"=ピンボールのこと。今や"Nintendo"と言えば、「任天堂のゲーム」だけを指すのではなく
「テレビゲーム全般」を指すのと同じですね。ですので"ピンボールの王様"という訳にしました。

(PS)"Bally Table"で検索をしたらいろんな写真が出てきました。エルトンのイラストのついたピンボール・マシン!台の名前は「CAPT.FANTASTIC」!左上に"Bally"のロゴが入っています。こんな台が置いてあったら「ピンボールの魔術師」の気分になっていくらでもお金をすっちまいそうだな(^▽^;)

◆The Whoの"ピンボールの魔術師"。やっぱロジャーとピートはカッコいいなあ。on the show "This Is Tom Jones" from 1969-04-18.



◆映画「トミー」のラストシーン。The Who - Listening To You - See Me, Feel Me



(この記事で参考にしたページ)
・Wikipedia ピンボールの魔術師
・Wikipedia Tommy
・「キメ手はロック 映画101選」(音楽之友社)