この曲はカッコよかったなあ!
ハート=ハードロックバンドとして、イントロのズンズクズンズクズン...キュイーンのギターからも、ロック・ボーカリストとしてのアン・ウィルソンの凄さも伝わってきます。終わり方の唐突感もカッコいい。もちろんアンとナンシーの美人姉妹がいるバンド、としても当時から取り上げられておりましたが、この曲の背景を調べていくなかで…こんな話があったとは当時は知りませんでした!

◆この曲「バラクーダ」。"Baraccuda"とは魚の「オニカマス」のこと。詳しくはこちらのサイトを見るとわかりますが、「危険な魚」です。獰猛で鋭い犬歯があり、アメリカでは人が襲われた例もあるとのこと。
この曲のなかで、ハートは契約していた前のレコード会社「マッシュルーム」を「あんたたちまるでバラクーダみたいよ!」と怒りを込めて歌にしたとのことです!

◆この曲が書かれた背景が掲載されていたSongfactsページを参照しました。(英語のページを僕が訳したものなので多少の誤訳があるかも...お許しを)

 この曲は、アンとナンシー、ギタリストRoger FisherとドラマーのMichael DeRosierが共に書いた曲で、バンドによると、この曲はレコード業界全般についての「声明」です。

 それはバンドと彼らのレーベルの間に摩擦があった時に書かれました。「Little Queen」はCBS-ポートレイトレーベルからリリースされたバンドのファーストアルバムでした。でも彼らの古いレーベルであるマッシュルームレーベルはそのバンドを訴え、1978年には、Heartがリリースしたくなかった過去に録音された素材で構成されたアルバム「Magazine」をリリースしました。
 ウィルソン姉妹たちは様々なインタビューの中で、この曲はマッシュルームレコードに対しての怒りであることを明らかにしました。マッシュルームレコードは、アンとナンシーがレズビアンで愛し合ってるとほのめかすような広告を(話題となるために)出したのです。


147328-full

 この曲は、デトロイトでのコンサート終了後にアンに対して「恋人はどうだった」かと尋ねたプロモーターにたいしてのアンの激怒に焦点を当てています。アンは当初はプロモーターはアンの当時の彼氏(バンドのメンバーMichael Fisher)について聞いてきたのだと思っていましたがそうでなく、プロモーターが彼女の姉妹ナンシーについて話していることがわかりました。アンは怒り、曲を書くためにホテルの部屋に戻りました。ナンシーは、音楽の不愉快な面を「危険な魚(Barracude)」に例えて、怒りを音楽に盛り込み、適切な言葉を歌詞にしました。

ムムム、そうだったのですね。アルバム「マガジン」がそういう「いわくつき」のあるアルバムだったこともそう言われてみれば、レコード会社の都合によりハートのアルバムリリースが遅れたりなんだかんだと当時聞いたような気がします。

68arhu581tud0twqw93z5y0zt.702x1000x1


こちらネットにあった、問題の広告?なんですかね。仲のいい姉妹の写真を出して「独占記事:The Heartbreaking Story」というような大見出しを出し、ハートの模様を飾って、"It was only our fisrt time"と2人が告白した、と書かれてますね。

1976年12月 "マッシュルームはアメリカの全国紙に"Dreamboat Annie"のジャケットを使ったアンとナンシーの写真に「私たち初めてだったの」というコピーをつけて、ハートのプラチナディスク獲得を知らせる広告を打った。ハートはこの下品なキャプションに怒り、遂にこのレコード会社から離れる決意をした...。
(ハート"ザ・グレイテスト・ストーリー"国内盤ライナーノーツ年表より)

◆気合いの入った演奏とボーカルは、「怒り」「憤り」が込められたものだったんですね!!

Writer/s: ANN WILSON, MICHAEL JOSEPH DEROSIER, NANCY LAMOUREAUX WILSON, ROGER DOUGLAS FISHER
Publisher: Universal Music Publishing Group

619jjI2y8AL._SY355_

Released in 1977
US Billboard Hot100#11
From The Album“Little Queen”

:原詞は太字

So this ain't the end,
I saw you again today
Had to turn my heart away
You smiled like the Sun,
kisses for everyone
And tales, it never fails!


だからこれで終わりじゃないの
アンタを今日また見かけたんだ
アタシは意識しないようにしたわ
太陽みたいな笑顔を浮かべ
誰もにキスするアンタ
「おとぎ話」を話すの いつだってそう!

You lying so low in the weeds
Bet you gonna ambush me
You'd have me down, down, down to my knees
Wouldn't you, Barracuda?


雑草のなかで 低く伏せて
アタシを待ち伏せしようってことでしょう
アタシをダウンさせて
ひざまずかせるつもりなのよ
そうでしょ? 「人食い魚」みたいだわ

Back over time when we were all trying for free
Met up with porpoise and me
No right no wrong you're selling a song, a name
Whisper game


アタシたちがギャラもなく
なんだって挑戦してたあの頃を思い出す
その頃 妹とアタシと出逢ったのよね
いい話も悪い話も区別なく
アンタたちは歌を売ってたのよ
"アヤシいゲーム(Whisper Game)"って曲をね

If the real thing don't do the trick
You better make up something quick
You gonna burn burn burn it out to the wick
Aren't you, Barracuda?


本当の話で うまくいかないのなら
すぐに なにかでっち上げた方がいいわよね
芯になるまで焼き尽くしちゃうのよ
そうでしょ? バラクーダ?

"Sell me sell you" the porpoise said
Dive down deep to save my head
You, I think you got the blues too.


イルカは言った
"アンタを売ってアタシを売るのね"
頭を守るには深く潜っていることね
アンタ
アンタは魂があると思ってたのに...

All that night and all the next
Swam without looking back
Made for the western pools,
silly fools!


すべての夜 そしてこれからも
振り返ることなく泳いできたけれど
「西海岸のプール」を作ってきただけだった
私たち愚かだったわ!

(Words and Idioms)
It never fails=絶対に失敗しない、必ずいつも~する
weeds=雑草
in the weeds =〈俗〉苦境に陥って、非常に忙しくて
ambush=待ち伏せする
porpoise=ネズミイルカ、小さなクジラ
do the trick=目的を達する、成果を挙げる、うまくいく
wick=ろうそくの芯

日本語訳 by 音時

barracude


曲の前半は、マッシュルームレーベルへの「罵詈雑言」!

契約のときは「夢見るおとぎ話」を笑顔で話すけど、本当はケモノみたいに待伏せして襲い掛かろうとしてたのよ。海で言えば「バラクーダ」みたいだわ!!(怒)

"Whisper Game"は直訳では「囁きのゲーム」。"ここだけの話...今がチャンスなんだよ"と「うまいもうけ話」を敢えて"ちょっと耳貸して..."なんてコソコソ話すのも交渉のテクニック?「アヤシいゲーム」と訳させていただきました。

R-3834751-1359412284-4211.jpeg

◆「イルカ(Porpoise)」は言った。

アンとナンシーは小さい頃、自分たちをお互いに「イルカちゃん(Porpoise)」と呼び合っていたようですね。
“Porpoise” was the nickname Ann and Nancy Wilson had for each other. Here they refer to their early days with their first label.

heart-barracuda_s

◆でも、いろいろわからなかった箇所があります。

・"Sell me sell you"とイルカ(ナンシーのこと?)の言ったセリフはイディオムなどいろいろ調べたのですがよくわかりませんでした。
・"I think you got the blues too"は、マッシュルームレコードのことを言っているのかな?彼らと契約したときには「同じ魂を持っていると思っていたのに残念だわ...」っていうことで。

・"Made for the western pools"も??でしたが、シアトル出身のハート。有名になった場所はヴァンクーヴァー。地図で確認すると、アメリカ大陸 西海岸の近い距離。私たちは大きな海を泳いでいたわけじゃなく、こんな狭いプールのなかを泳いでいたに過ぎなかったのよ、バカだったわ...!と自嘲している、と受け取りました。

Heart Bara


◆"ズンズクズンズク...キュイーン♪"のギターレッスンです!




◆ウィキペディア情報ですが、この曲のギターリフについては、ナザレスが歌った"This Flight Tonight"(ジョニ・ミッチェルのカバー)のギターリフからインスパイアされた、とアン・ウィルソンとギア・ファクターがインタビューに答えています。Nancy Wilson が言っています。「2019年3月のインタビュー」とのことって今年じゃないの。






◆ハートとは何の関係もありませんが、僕は"バラクーダ"と言えば「日本全国酒飲み音頭」をヒットさせたコミックバンド"バラクーダ"さんを想い出します。この曲以外にも「演歌・血液ガッタガタ」とかあったなあ。