コリー・ハートのデビュー曲"Sunglasses At Night"。
どうして彼は夜にサングラスをかけるようになったのか…歌詞のなかで語られていました。

◆彼の愛してる女は彼に嘘をついてるんです。もうわかっているんだと暗にほのめかしているのにも関わらず、女は一向に止めようとせず、彼の心をますます傷つけてばかり…。そんな彼女を見たくなくて彼は夜にサングラスをかけることにしました。夜にサングラスをかける=視界は真っ暗です。
そんな暗闇ばかり見る男(the guy in shades)…作り出したのは彼女なのでした…。

 見たくないものを見ないようにすることが一番いい方法かというとそうではないでしょう。でも…そんな気持ち、わかってしまう。この曲の歌詞も"いけない恋""悪いとわかっている恋"をしている人達に響いたのかな。

CoreySunglass


Writer(s): Corey Hart

Released in 1984
US Billboard Hot100#7
From The Album“First Offense”

:原詞は太字

I wear my sunglasses at night
So I can, So I can
Watch you weave
then breathe your story lines

俺は夜にサングラスをかける
そうさ そうするんだ
おまえの企みをじっと見て 
そして その作り話にため息をつく

And I wear my sunglasses at night
So I can, So I can
Keep track of the visions in my eyes

俺は夜にサングラスをかける
そうだよ そうするんだ
俺の瞳がどこにもいかないよう
その幻影を追いかけるためさ

While, she's deceiving me,
It cuts my security (has)
she got control of me
I turn to her and say

ずっと アイツは俺をだましてるんだ
俺は無事じゃいられない気持ちさ
アイツは俺を操ろうとしてたけど
俺はアイツの方を向いてこう言うんだ

Don't switch the blade
on the guy in shades; oh no
Don't masquerade
with the guy in shades;
(oh no) (I can't believe it)
You got it made
with the guy in shades; oh no

暗闇にいる男にナイフを突きつけるな
暗闇にいる男に偽りの姿を見せるんじゃない
(ちがうんだ)(信じられないよ)
おまえは暗闇しか見ない男を
上手に作り出したんだ…Oh no…

I wear my sunglasses at night
So I can, So I can
Forget my name
while you collect your claim


俺は夜にサングラスをかける
そうさ  そうせずにはいられない
俺の名前は忘れてくれ
おまえが債権を取り立ててる間だけは

And I wear my sunglasses at night
So I can, So I can
See the light that's right before my eyes


俺は夜にサングラスをかける
そうだ そうするんだ
光を見るためにね
俺のすぐに目の前の光を

While she's deceiving me,
she cuts my security (has)
She got control of me
I turn to her and say


アイツが俺を欺いてる間
俺は自分がどうなっちまうか不安なんだ
アイツは俺を操ろうとしてたんだ
俺はアイツの方を向いてこう言うのさ

Don't switch the blade
on the guy in shades; oh no
Don't masquerade
with the guy in shades;
(oh no)
(I can't believe it)
Don't be afraid
with the guy in shades; oh no
(You can't escape)
You got it made
with the guy in shades; oh no


暗闇にいる男にナイフを突きつけるな!
暗闇にいる男に偽りの姿を見せるんじゃない!
(ちがうんだ)(信じられない)
おまえは暗闇しか見えない男を
上手に誕生させたんだ
俺は おまえのせいで
暗闇しか見ない男になってしまった…

While she's deceiving me,
she cuts my security (has)
She got control of me
I turn to her and say


アイツが俺をだましてる間
俺は無事じゃいられないんだ
アイツは俺を操ろうとしてたけど
俺はアイツの方を向いてこう言うのさ

Don't switch the blade
on the guy in shades oh no
Don't masquerade
with the guy in shades oh no
I can't believe it!
Don't be afraid
of the guy in the shades oh no
It can't escape you
'Cause you got it made
with the guy in shades oh no

ナイフを取り出すんじゃない
暗闇にいる男に
偽りの姿を見せるんじゃない
暗闇ばかり見てる男に
(ちがうんだ)
(信じられない)
怖がるんじゃない
暗闇にたたずんでる男に
だって暗闇しか見えない男は
おまえが作り出したんだぜ…

I said
I wear my sunglasses at night
I wear my sunglasses at night
I wear my sunglasses at night


だから俺は
夜にサングラスをかけるんだ
夜にサングラスをかけるのさ…

I say to ya now
I wear my sunglasses at night
I wear my sunglasses at night
I wear my sunglasses at night

おまえに言うんだ
俺は夜にサングラスをかけることを
おまえの悪さを見ないようにしてるのさ

I cry to you
I wear my sunglasses at night
I wear my sunglasses at night


おまえのことを思って泣いてるんだ
サングラスをしたままで
夜にサングラスをかけたままで…

(Words and Idioms)
weave=〈物語などを〉組み立てる,作り上げる; 〈陰謀を〉たくらむ.
breathe=〔思想などを〕吹き込む、~を表明する、~を示唆する、ささやく、小声で話す
keep track of =~の経過を追う、~の記録をつける
cf.switch blade=《主に米国で用いられる》 飛び出しナイフ
cf.collect of claim=債権の取立て

日本語訳 by 音時

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◆この曲についてコリーはとても想い出があるようですね。"Songfacts"ページに彼のこの曲についてのコメントが結構長く出ていました。僕の和訳でお届けします。大意ってことでよろしく…(^▽^;)。

1983年の春の頃かな 僕がモントリオールに住んでる19歳の若者で、でまだ目をキラキラさせていた頃、マンチェスターの近くのスタジオでレコーディングしていたんだ。5月の終わり頃、僕の20歳の誕生日が近づいてきた頃、僕のデビューアルバム"First Offence"に収録する予定の11曲のオリジナルソングの収録されたカセットが出来上がってきた。
でもね、もう1曲加えて12曲にしようと思ったんだ。それがこの"Sunglasses at night"なんだ。まだ曲は書けてなかったんだけど、アイデアは僕の想像的な潜在意識なのかでずっと頭のなかに眠ってたような感じだった。


このセッションをイギリスでやっていたときは天気がほとんど毎日 雨だったのさ。僕はレイバンのサングラスを用意してたのに、それをかける機会がなかったんだ。
夏の遅い季節、僕のアルバムがアクエリアス=キャピトルから届いたよ。誰もがその出来栄えに喜んでるように見えた。僕はレコーディングが済んだというのにまだ曲のアイデアが溢れ出てきていたんだ。まるで曲を書くのに引き付けられていたみたいだ。

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 僕が悩んでいたのは"俺のタバコが湿っちまった(My Cigarette Got Wet)"っていうフレーズのメロディ・ラインだった。僕は生まれてからタバコなんて吸ったことがなかったからこれはちょっとした比喩表現だけどね。自分でも気が付かなかったけどこれが"サングラス"が出てきた最初の芽だったんだ。実際そのあとのデモで"Wet"を演ったとき"Sunglasses"の音楽的要素を沢山盛り込んでいたんだよ。でもまだそのときはそんなにその曲を気に入ってはいなかった。

ある晩、もう一度"Wet"をレコーディングしたときに僕はメロディに合わせて 'I Wear My Sunglasses At Night…'と歌ってみたんだ。ああ、そのときだよ、この曲が生まれたのは。コード進行の変更もプラスして、以前には見過ごしていたような新しい歌詞がよりイカした感じでリズミカルに響いたんだ。
 僕はこの曲をこのアルバムにスポットで追加したくなった。僕らは既にレコーディングの予算をたっぷり使ってたから不可能だろうと思ったけど、ともかくレコード会社に朝に押しかけて頼み込んでみたんだ。

 彼らの信頼と直感で、アクエリアスレコードは僕をイギリスに再度呼んだんだ。"この曲はとってもいいと思うんだよ"と僕が話したことを信用してくれたんだ。ロンドンにいた僕のプロデューサー(フィル・チャップマンとジョン・アストリー)はこの曲が最高なことをわかってくれたよ。
80年代初期に沢山の曲が生み出されていたその頃のイギリスの音楽シーンのなかで、彼らは見事にこの曲にイカしたサウンドとスタイルを付け加えてくれたのさ。

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【POP GEAR1988年9月号 表紙・特集=コリー・ハート】

 そしてこの曲が1983年11月にリリースされたとき、僕はモントリオールのFM放送で初めてこの曲を聴いたのを覚えてる。でも30秒くらいしか聴けなかったよ。だって僕は興奮してラジオのボリュームを最大にして車のスピーカーを壊しちゃったからね!

僕がヒットの手ごたえを初めて感じたのは、1984年の6月にリック・スプリングフィールドの前座で初めて全米ツアーに参加したとき、デトロイトの空港に降り立ったときだったよ。熱狂したファンの方たちに僕はもみくちゃにされたんだ。乗り継ぎの次の便に乗るために、僕らはセキュリティが必要になってたんだ。もう信じられない経験さ。"Sunglasses At Night"はゆっくりとチャートを上昇し、ビルボードのトップ10にしっかりとランクインしたんだ…。

名曲ができる瞬間っていうのは偶然も左右しますよね。そしてこの曲のヒットは、シンセサイザーを使った80年代アレンジが時代のサウンドとなったことも大きかったでしょうね。

◆でも僕自身といえば、"Sunglasses At Night"のヒットがあっても特に彼のアルバムを買おうなどとファンになることはありませんでした。
 僕がコリーのファンになったのは…ちょうどこの1年後、彼の次のアルバム「Boys In The Box」からの、人を励ましてくれるこの曲"Never Surrender"!でした。…その頃、僕のペンネームは"ねばあされんだあ"でした…この曲から取ったんです。なぜか平仮名でしたが(笑)。

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◆“Sunglasses At Night”が最高位7位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles For The Week Ending September 1, 1984

ティナ姐さんが首位に!(以降3週連続No1)。
次にはジョン・ウェイト"Missing You"が1位になります。
プリンス"Purple Rain"のアルバムが売れに売れておりました。
僕のおすすめ2曲、この週9位と10位、両方とも"もしも"="If"で始まる曲です。

-1 2 WHAT’S LOVE GOT TO DO WITH IT - Tina Turner
-2 5 MISSING YOU - John Waite
-3 3 STUCK ON YOU - Lionel Richie
-4 1 GHOSTBUSTERS - Ray Parker Jr.
-5 4 WHEN DOVES CRY - Prince

-6 9 SHE BOP - Cyndi Lauper
-7 8 SUNGLASSES AT NIGHT - Corey Hart
-8 16 LET’S GO CRAZY - Prince & The Revolution
-9 11 IF THIS IS IT - Huey Lewis & The News
10 10 IF EVER YOU’RE IN MY ARMS AGAIN - Peabo Bryson

◆Corey Hart performing his classic track on AB 1984.



◆"Sunglasses at Night" (2014 live acoustic rehearsal version)



◆洋楽イントロ当てクイズの大会があったら、きっと出題されるであろう2曲。ユーリズミックスの"Sweet Dreams"とコリーの"Sunglasses At Night"。今から聴き分けの練習をしておかなければ←そんな大会ないから安心しろ。