盲目のシンガー、ロニー・ミルサップ。ラジオ番組「全米トップ40」を聴いていなければ彼との出会いはありませんでした。
ロニーの全米トップ40ヒットは6曲。1983年のこの曲以降、残念ながらロニーの全米Hot40ヒットは出ていません。  …曲目(全米チャート成績・リリース年)

It was almost Like a song  #16(1976)
Smokey Mountain Rain #24(1980)
(There's)No Gettin' Over Me #5(1981)
I Wouldn't Have Missed It For The World #20(1981)
Any Day Now #14(1982)
Stranger In My House #23 (1983)

◆ロニーの曲はいい曲が多いんだなあ。時間はかかると思いますが、彼の曲は僕のブログや星船さんブログで日本の皆さんに紹介しないとね!(勝手な使命感)

「ビルボードチャート日記 by 星船」さんはこちらです

◆さて、この曲の収録されたロニーのアルバムのタイトルは「keyed up」。
イディオムでの意味は「《be ~》緊張[興奮]している」ってことのようですね。弦楽器の弦をピンと張って音を調整する(key up)というのが語源らしい。

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なんかでも、このアルバムジャケットのロニーは…緊張しているようには見えませんな(^▽^;)

そしてシングルとして発売されたのがこの曲「Stranger In My House」。タイトルからすると、タダモノではない予感。サウンドはかなりロック調です。それでは まずは歌詞と日本語訳です。

Song Title:「Stranger In My House」
Artist:Ronnie Milsap


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(Mike Reid)

Released in 1983
US Billboard Hot100#23
From The Album“Keyed Up”

:原詞は太字

There's a silence here between us
I've never heard before
And I can't find the love
In her eyes anymore
There's some changes going on
I'm beginning to understand
When I'm holding her
I swear I feel the presence of another man


二人の間に「沈黙」が横たわる
こんなことは初めてさ
もう彼女の瞳のなかに
愛は見つからないのさ
何かが変わりつつあるってことを
ようやく僕もわかってきた
僕が彼女を抱きしめてるときも
別なヤツの存在をはっきりと感じてる

There's a stranger in my house
Somebody here that I can't see
Stranger in my house
Somebody here trying to take her away from me


見知らぬ誰かがいるんだ 家のなかに
目には見えない誰かがここに
家のなかに よそ者がいる
誰かが僕から彼女を奪っていこうとしてる

She sits staring out the window
A million miles away
And when I ask if she's all right
She never has too much to say
Is it somebody we both know
Or somebody she just met
Is she loving him in her mind
While she's lying here in my bed


窓辺に座り じっと外を見てる彼女
その目の先は 遥か遠くだ
大丈夫かい?って尋ねても
あまり話してはくれないのさ
そいつは僕ら二人とも知ってるヤツなのか
それとも彼女のただの知り合いなのか
彼女はヤツを心の中で愛してるのか
僕のベッドに横たわっているときも…

There's a stranger in my house
Somebody here that I can't see
Stranger in my house
Somebody here trying to take her away from me

僕の家にいる見知らぬヤツ
姿は見えないけど気配を感じる
僕の家にいる見知らぬヤツ
そいつが僕から彼女を奪おうとしてる

Suspicions lead to questions
And questions to alibis
Is it just my imagination
Or has her love turned into lies


疑いはやがて 疑問になり
彼女のアリバイを確かめたくなるんだ
僕のただの妄想なのか
それとも彼女の愛は 
もう嘘になってしまったのか

There's a stranger in my house
Somebody here that I can't see
Stranger in my house
Somebody here trying to take her away from me

There's a stranger in my house
Somebody here that I can't see
Stranger in my house
Somebody here trying to take her away from me

家のなかにいる 見知らぬ誰か
目には見えない誰かがここに
家のなかに よそ者がいる
誰かが僕から彼女を奪っていこうとしてる

Stranger in my house
Somebody here trying to take her away from me


見えない誰かが家にいる
そいつが彼女を奪っていこうとしてるんだ…


日本語訳 by 音時

Ronnie-Milsap


◆ムムム…これは主人公の被害妄想かな…。でも彼女を失いたくない気持ちがあるのに、どうすることもできない。彼女の気持ちを確かめたいのに、本当のことを話してはくれない。その状況が、いるはずもない「見知らぬ誰か」が「家のなかにいる」となったのでしょうね。彼女が実際は自分と暮らしているのに、自分ではなく「ほかの誰か」を思い浮かべているんだ、と…。ロック調のサウンドとロニーの力強い歌声に、主人公の悲しくツラい気持ちが込められているように感じます。

◆この曲のPVです。辿り着いた家には、ピアノを弾くロニーが…。刑事たちの前に、残されたものはネックをへし折られた一本のギター…。よくわかりませんな(^▽^;)




◆リリースはこの曲の方が先ですが、歌詞の物語だけでいうと、スティーヴィー・ワンダーの「レイトリー」を想い出しました。主人公の立場や想いはほぼ同じかと思います。どちらも、ツラい思いになる曲ですね…(-_-;)。