中学校のときの僕の部屋には、ローリング・ストーンズとレッド・ツェッペリンのパネルが飾ってありました。これレコードを3枚買うともらえる、というキャンペーンをレコード屋さんがやっていて、頑張って小遣いを貯めてレコードを買ってゲットした想い出です。その頃買ったアルバムの1枚が「プレゼンス」。僕のレッド・ツェッペリン入門の1枚であり、今でも彼らの最高傑作と思っています。

 なかでも何といってもこの1曲「アキレス最後の戦い」(Achilles Last Stand)。Zepの各メンバーの凄さがよくわかる!よくヘッドホンでかなり大きなボリュームで聴いていました。ジミー・ペイジの情緒的なギターリフ、ジョン・ボーナムの驚異的なドラム。10分以上ある曲ですが最後までイッキに聴いてしまいます。ギターのイントロのフェードイン、そして最後にフェード・アウトも、この曲が物語の1作品を語ってるように思います。

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◆当時、ツェッペリンのレコードには和訳がなかったので、この曲は英語の歌詞を頭で追いながら聴いていました。が…意味はまったくわからず(^-^;。ギリシャ神話の「アキレス」の最後の闘いについて歌った曲なんだろう(邦題の影響)と思っていました。

 でも今回和訳してみて

…なんと「アキレスは登場しない」!!
 (゚Д゚)ノエ~ッ!


◆四苦八苦して和訳しましたが、意味がよくわからないこともしばしばで誤訳もあると思いますが、何はともあれ、原詞と日本語訳(by 音時)をお届けさせていただきます。アキレスは登場しなくても、なぜこのタイトルなのかの種明かしも日本語訳の後の記事をお読みください。
この曲の物語を「章立て」するのであれば第1から第4章まで分かれていて、それぞれ間奏が一定長くとってあり、ペイジのギターが物語を語っているように感じました…。

Song Title:「Achilles Last Song」
Artist:Led Zeppelin


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Writer/s: JAMES PATRICK (JIMMY) PAGE, ROBERT ANTHONY PLANT
Publisher: Warner/Chappell Music, Inc.

Released in 1976
From The Album“Presence”

:原詞は太字

It was an April morning
when they told us we should go
As I turn to you, you smiled at me
How could we say no?


それは4月の朝のことだった
"行かなきゃならない"と俺達は告げられた
振り返いて見たら おまえは俺に微笑んで言った
"嫌だなんて言うはずないだろ?"

Oh, the fun to have
To live the dreams we always had
Oh, the songs to sing
When we at last return again

ああ 楽しくて仕方なかったよ
いつだって夢を生きてたんだ
ああ 歌を歌ってやるさ
旅の最後に再び戻って来られたら…

Slipping off a glancing kiss
To those who claim they know
Below the streets that steam and hiss
The devil's in his hole


別れのキスをさっと済ませたのさ
みんなわかってる奴らさ
蒸気が音を立ててるあの通りの下には
悪魔の巣穴が口をあけて待ってるんだと

Oh, to sail away
To sandy lands and other days
Oh, to touch the dream
Hides inside and never seen, yeah

ああ 船出しよう
砂の大地と先の見えない日々へと
ああ 夢を手にするのさ
心の中にしまい込み 二度と見たりはしない




Into the sun, the south, the north
At last the birds have flown
The shackles of commitment fell
In pieces on the ground

太陽の元へ 南へ 北へ
鳥たちも最後に飛び立っていった
約束を守るという足かせがあったが
粉々になり みな地に落ちた

Oh, to ride the wind
To tread the air above the din
Oh, to laugh aloud
Dancing as we fought the crowds, yeah

ああ 風に乗って行け
喧騒を乗り越え天に昇るがいい
ああ 高らかに笑うがいい
踊るんだ 群衆と闘うかのように yeah




To seek the man whose pointing hand
The giant step unfolds
With guidance from the curving path
That churns up into stone

導いてくれる男を探すのさ
それが大きな一歩となるはずだ
曲がりくねっている道の案内だけじゃ
動揺して動けず 石のようになっちまう

If one bell should ring
In celebration for a king
So fast the heart should beat
As proud the head with heavy feet, yeah

もしも王への祝福の鐘が
一度でも鳴り響くのならば
心臓の鼓動が高まるだろう
足どりが重くても 誇らしげに yeah





Days went by when you and I
Bathed in eternal summer's glow
As far away and distant
Our mutual child did grow

おまえと俺の日々は過ぎていった
永遠に続く夏の日差しを浴びて
俺たち二人の子どもも大きくなり
遠くに離れて行ったように

Oh the sweet refrain
Soothes the soul and calms the pain
Oh Albion remains
Sleeping now to rise again


ああ 優しく繰り返すんだ
魂をなだめ 痛みを落ち着かせる
ああ アルビオンの心は変わっていない
再び蘇えるために今は眠っているのだ

Wandering and wandering
What place to rest the search?
The mighty arms of Atlas
Hold the heavens from the earth

彷徨って 彷徨い歩いてきた
いったいどこで探索は終わるのか?
アトラスの力強い腕よ
大地から天を支え続けてくれ

For the mighty arms of Atlas
Hold the heavens from the earth
From the earth


アトラスの力強い腕よ
大地から天を支え続けてはくれまいか
この大地から…

I know the way, know the way,
know the way, know the way
I know the way, know the way,
know the way, know the way


わかってる わかってるんだ
どうしたらいいかをね…
わかってる わかってるんだ
こうしたらいいんだよ…

Oh oh oh oh
Ah ah ah
Ah ah ah ah ah ah ah
Oh oh oh oh oh oh oh
Oh the mighty arms of Atlas
Hold the heavens from the earth


ああ 力強いアトラスの腕よ
大地から天を支え続けてくれ
Ah, ah, ah

(Words and Idioms)
slip off=こっそり立ち去る〈話〉素早く脱ぐ
glancing =〔打撃・パンチなどが〕斜めに当たるような、かすめるような
shackle=囚人用の〕手かせ、足かせ、〔自由の〕束縛、制約
commitment=(罪・過失を)犯すこと,犯行、収監,投獄;(…への/…するという)約束,
din=〔やかましく鳴り響く〕騒音、どよめき 〔大きな音を伴う〕騒ぎ
cf.tread on air 〔極度の興奮やうれしさで〕天にも昇る心地である、有頂天である
unfold=〔見えていなかった物が〕姿を現す
churn up =〔かくはん機などで〕~を激しくかき回す
〈比喩〉〔人を〕動揺させる
mutual= 〔関係が〕相互の、お互いの
Albion=アルビオン(◇Great Britain 島の古名で,“white land”の意;同島南部海岸の絶壁が白く見えることから)
atlas=アトラス山脈=アフリカ北西部に位置する全長約 2,500 km にもおよぶ山脈。モロッコ、アルジェリア、チュニジアにまたがっている。


日本語訳 by 音時

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◆一応、4つのブロックごとに章立てがわかるように、歌詞の行の間をあけるようにしました。
各章にタイトルをつけるのであれば、

第1章 旅立ちの決意
第2章 たたかいの序章
第3章 祝福の鐘を鳴らせ
第4章 たたかい終わって~再び休息の日々へ

というところでしょうか(^▽^;)。

物語は、悪魔が潜んでいる巣穴に戦いを挑み勝利する。戦いの日々を終え戻った頃には、もう子どもも大きくなっていて巣立った後だった。悪魔達はいずれまた蘇える。その日のために休息に入ろう…、と大枠はこういったところでしょうか。間奏に入るペイジのギターやボンゾのドラム、プラントの歌唱とそれをささえるジョーンズのベースラインは「旅立つ決意」や「たたかいの状況」などを演奏で物語っているように思えます。

◆この曲の書かれた背景などが、この曲のSongfactsページやウィキペディアに出ていました。

・この曲の歌詞は、ロバート・プラントがモロッコ、ギリシャ、スペインを旅行した際に書かれたもの。この曲はフラメンコとモロッコの伝統から着想を得ました。また歌詞は旅行だけでなく、ウィリアム・ブレイクを含む、ロバートがそのとき読んでいた詩にも影響を受けています。

・歌詞"Albion remains/sleeping now to rise again" はウィリアム・ブレイクの色刷版画「アルビオンは立ち上がった(歓びの日あるいはアルビオンの踊り)」(Glad Day or The Dance of Albion, 1793年)にも影響を受けました。

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・歌詞の "The mighty arms of Atlas hold the heavens from the Earth"の部分、アトラス山脈についてはダブル・ミーニングが掛かっているようです。シンプルに空を支えているように見えるアトラス山脈と、巨人アトラスが世界を肩の乗せて支えているということです。

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・このタイトルは、1975年8月にプラントはオートバイ事故を起こし足首に重度のケガをしたことの「皮肉」となっています。アキレスは「かかと」を矢で射られた人物です。プラントは1年間一人で歩くことができず、アルバム「プレゼンス」のレコーディングの大半は「車いす」(Wheelchair)に乗って過ごしました。それゆえ、この曲の製作中の一時的なタイトルは"The Wheelchair Song"とされていました。

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◆はい「Achilles Last stand」とは「アキレスの最後の抵抗」(!?)。

"足をケガしたプラント"が自分を"かかとを射られたアキレス"に例え、ケガをしながらも奮闘してレコーディングしている自分を自嘲してる?タイトルと言えますね(^▽^;)。

 壮大な叙事詩の物語を、確かな演奏と表現力で疾走感のあるロックサウンドに仕上げたこの曲。やっぱり一押し!です。