オランダのロック・バンド"ヴァンデンバーグ"。バンド名はギタリストであるエイドリアン・ヴァンデンバーグ(Adrian Vandenberg)の名前を取って付けられています。

 自分たちのバンド名を冠したファーストアルバム"Vandenberg"はレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジのスタジオで収録されました。日本では邦題は「ネザーランドの神話」と付けられて、レコード会社がかなり推していて、そこそこのヒットになった記憶があります。

◆ヴァンデンバーグの全米トップ40ヒットは、泣かせるギターが聴けるバラードのこの1曲のみになってしまいましたが、彼らはオジー・オズボーンやキッスと全米をまわり人気を得てきましたが、アルバムを3枚まで出して1986年に解散。エイドリアンはホワイトスネイクに参加することになります。星船さんブログ「ビルボード・チャート日記」にてそのあたりのことも取り上げられていますので、こちらの記事もぜひお読みください。

◆ヴァンデンバーグは2004年に再結成し、この曲もセルフカバーしていますね。

Vande


Song Title:「Burning Heart」
Artist:Vandenberg


written by Adriaan Vandenberg
Lyrics c Warner/Chappell Music, Inc.

Released in 1982
US Billboard Hot100#39
From The Album“Vandenberg”

Does it feel the same
When he calls your name
And does it feel the same
When you play the game
Of love

When he holds you tight
Does it feel alright
Just like it used to do
When I was with you
Making love to you 
同じように感じるのかい
あいつがおまえの名前を呼ぶときも
同じように感じるのかい
おまえが愛のゲームを楽しむときも

あいつにきつく抱かれるとき
気持ちよく感じているのかい
以前の俺たちがそうだったように
俺とおまえが一緒にいて
おまえに愛を感じていたように
This burning heart of mine
It still hurts after all this time
This burning heart in me
Won't let me be 
この燃えるような俺の心
今さらのようにまだ俺を傷つける
俺のなかのこの燃える心が
俺を俺のままでいさせてはくれない
After all this time
You still haunt my mind
I just can't seem to find
The peace of mind
I need so bad

Does it feel the same
When he calls your name
And does it feel the same
When you play the game
Of love 
今さらながら
おまえがまだ俺の心に現れる
俺には心の平穏を
見つけられそうにない
こんなに望んでいるというのに

同じように感じるのかい
あいつに名前を呼ばれるときに
同じように感じるのかい
おまえが愛をゲームのように
もてあそんでいるときに
This burning heart of mine
It still hurts after all this time
This burning heart in me
Won't let me be
Won't let me be

This burning heart of mine
It still hurts after all this time
This burning heart in me
Won't let me be 
この燃えるような俺の心
今さらのようにまだ俺を傷つける
俺のなかのこの燃える心が
俺をありのままでいさせてはくれない
俺を俺のままでいさせてくれない
This burning heart of mine
It still hurts after all this time
This burning heart in me
Won't let me be
Won't let me be

This burning heart of mine
It still hurts after all this time
This burning heart in me
Won't let me be

Oooh, won't you let me be
この燃えるような俺の心
今さらのようにまだ俺を傷つける
俺のなかのこの燃える心
俺を放っておいてくれないか
俺は俺自身でいたいのに

ああ 俺のままでいさせてくれよ…

(Words and Idioms)
haunt=〔幽霊が〕出没する

日本語訳 by 音時

img57079191

◆歌詞の最後の部分

This burning heart in me
Won't let me be

ですが、2通りの意味を考えました。

(1)”This burning heart in me won’t let me be”を1文としてとらえ、”won't”の主語が"this burning heart in me"である。

「この燃えるような俺の心」が「俺を俺のままでいさせてくれない」ということですね。


(2)"This burning heart in me"と"Won't let me be"の2つを文としては切り離し、"This burning heart in me"に対して"Won't(you)let it be me?"と"~してくれないか"と依頼している。

主人公が"let me be"と「自分はありのままの自分でいたい」と願っているのは同じなんですけどね…。

◆"ありのままでいたい(のにそうさせてくれない)"ということは、本当の自分はもっとクールな筈なのに、どうしても嫉妬してやけになった行動をしてしまうってところでしょうか。

◆"Burning Heart"というタイトルの曲は僕は一番には「RockyⅣ」の主題歌になったサバイバーの"Burning Heart"の方を想い出してしまうのですが、こちらの「燃える心」は「勝つことへの執念」や「闘争心」なのにたいして、Vandenbergの「燃える心」方は相手の心をなんとか自分のものにしたいという想い、もしくは「嫉妬心」ってところなんでしょうね…。

◆VANDENBERG - Burning Heart (live Texel 1984)



◆こちらは2004年の新録ヴァージョン。

  

◆こちら「ロッキーⅣ」の”Burning Heart”。サバイバーです。