2022年の「十五夜」は 9月10日だそうです。今週の夜の部は「月」にちなんだ曲をお届けします!

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 僕は「Night Moves」「Nine Tonight(ライヴ)」「Stranger In Town」「Against The Wind」とボブ・シーガーを聴いてきて、「ロックン・ロール親父」(ボブごめん)のカッコ良さに惚れてしまっていました。


 そして次のアルバム「ディスタンス」は発売日から割とすぐに購入。アルバム評を書いて自分の大学のコミュニケーション誌に掲載したりしました。(「The Distance」及びDan Fogelbergの「The Innocent Age」を書いた記憶があります。稚拙な寄稿文なので今見たら恥ずかしいだろうな...(^▽^;)


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Song Title:「Shame On The Moon」
Artist:Bob Seger & The Silver Bullet Band


Songwriters: CROWELL, RODNEY J.
lyrics c Universal Music Publishing Group

Released in 1983
US Billboard Hot100#2
From The Album"The Distance"


Until you've been beside a man
You don't know what he wants
You don't know if he cries at night
You don't know if he don't

Where nothing comes easy,
old nightmares are real
Until you've been beside a man
You don't know how he feels

男のそばで暮らしてみないと
そいつの望んでることはわからない
夜に涙を流してても理解できず
そうでなくたってわからないのさ


何だって簡単にはいかないよ
よく見る悪夢だけ妙にリアルなんだ
一緒に暮らしてみないことには
その男の想いはわからないのさ

But once inside a woman's heart
A man must keep his head
Heaven opens up the door
Where angels fear to tread

Some men go crazy
Some men go slow
Some men go just where they want
Some men never go

でも一度 女の心に入り込んだら
冷静でいなきゃならない
天国の扉は開いているんだ
天使も恐れて近づかないけれど


狂ったように恐れないヤツもいれば
慎重にゆっくりなヤツもいる
行きたいところに直進するヤツがいれば
まったく足を踏み出さないヤツもいる

But, oh, blame it on midnight
Ooh, shame on the moon

ああ そいつは真夜中のせいだ
ああ 月が出てないのがいけないんだ


Everywhere is all around
Comfort in the crowd
Stanger's faces all round
Laughing right out loud

Hey, watch where you're goin',
step light on old toes
Until you've been beside a man
You don't know who he knows

この世の中のどこでだって
群衆のなかに安らぐ場所はあるんだ
見知らぬ顔に囲まれたって
みんなで大笑いすることもある


おい 自分の行先には気をつけろ
つま先を明るく照らして行けよ
男のそばで暮らしてみないと
そいつのことはわからないんだよ

But, oh, blame it on midnight
Ooh, shame on the moon
Oh, blame it on midnight
Ooh, shame on the moon

ああ 真夜中なのがいけないのさ
ああ 今晩の月がイケてないのが悪いんだ
ああ 真夜中にオレ 何やってんだ
ああ 月が出てないせいにしちまうさ
 
(Words and Idioms)
Nothing come easy.
=何事も簡単にはいかない。
keep one's head=冷静さを保つ
tread=足を踏み入れる



日本語訳 by 音時

BobShame

◆この曲の作者はロドニー・クローウェル。エミル―ハリスのバックバンド(ホット・バンド)にいたテキサス州のシンガーソングライターで、「Shame On The Moon」は彼のアルバム「RODNEY CROWELL」(1981)に収録されています。
ロドニーのヒット曲や他の作品については、星船さんも触れられていますので、こちらをどうぞ。
 「ビルボードチャート日記 by 星船

TheDistance

◆“Shame On The Moon”の意味について。

 "Shame"の付く、よく聞く言葉としては“Shame On You”=“この恥知らず!”というイディオムがありますよね。“Shame On You”は“I am ashamed of you”=「私はあなたを恥ずかしく思う」=「この恥知らず」ということなので、“Shame On The Moon”は“私は月を恥ずかしく思う”って解釈しました。

 “Shame On You”は“残念です”という意味にもなるとのこと。そんなことから“月が恥ずかしい”=“月が残念な状況”=“月が出ていない夜は残念”=“月が出てないのがいけないんだ”と訳しました(^▽^;)。

...この曲のサビコーラスの歌詞は“ Blame It On Midnight、Shame On The Moon”。誰だってたまにはいろいろ人生や愛について考えてみたくなる…でもハッと気づいたらもう真夜中になっていた。そんな自分がなんだか恥ずかしくなって「真夜中なのがいけないんだ」「月が出てないのが悪いんだ」なんて、ほんとはそんなことが理由なんかじゃいのに、そう言ってみたくなる。この気持ち、僕もわかっているつもりです。

(PS)「月がでていない」(僕の解釈ですが)のに、邦題で「月に吠える」でいいのだろうか?(-_-;)

そういえば、この1983年12月にはオジー・オズボーンのサードアルバム「月に吠える」もリリースされました。こちらの原題は「Bark at the Moon」。おお、こちらは「月に吠える」そのまんまだ!


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◆"Shame On The Moon"が最高位2位を記録した週の全米チャートです。

US Top 40 Singles For The Week Ending February 26, 1983
 
1 1 BABY, COME TO ME –•– Patti Austin with James Ingram (Qwest)-24 (2 weeks at #1) (1)
2 3 SHAME ON THE MOON –•– Bob Seger & The Silver Bullet Band (Capitol)-11 (2)
3 4 STRAY CAT STRUT –•– The Stray Cats (EMI-America)-10 (3)
4 6 BILLIE JEAN –•– Michael Jackson (Epic)-6 (4)
5 8 DO YOU REALLY WANT TO HURT ME –•– Culture Club (Virgin)-13 (5)

6 9 HUNGRY LIKE THE WOLF –•– Duran Duran (Harvest)-10 (6)
7 7 YOU AND I –•– Eddie Rabbitt with Crystal Gayle (Elektra)-21 (7)
8 2 DOWN UNDER –•– Men At Work (Columbia)-17 (1)
9 21 WE’VE GOT TONIGHT –•– Kenny Rogers & Sheena Easton (Liberty)-5 (9)
10 13 PASS THE DUTCHIE –•– Musical Youth (MCA)-12 (10)

1位は「あまねく愛で」。3位にストレイ・キャッツが迫ってきてます。しかし、翌週の1位は4位からマイケルがジャンプアップ!ボブ・シーガーも一緒にごぼう抜きされてしまいます(*_*)。ボブ・シーガーはその後も2位を続け(計4週2位)ますが力尽きて12位にダウンします。9位の「We've Got Tonight(愛・ひととき)」はボブの作品。大きくジャンプ・アップしてきましたが、最高位6位までしか伸びない運命です(-_-;)。

◆ボブが一人で弾いて歌う"Shame On The Moon"



◆これがオリジナル。Rodney Crowell - Shame on the Moon (1981)



(この記事で参考にしたページ)
・Wikipedia The Distance
・Wikipedia Shame On The Moon