アダム・アントの全米トップ40ヒットはこの1曲のみ。ロカビリー調のこの曲は、なんか"靴"のことを歌ってるけど...?と思っていました。この頃の全米シングルチャートはイギリスからニュー・ウェイヴの音楽が米国にもどんどん入ってきた時代でした。

 アダム・アントはリーダーを務める"アダム&ジ・アンツ"を1977年に結成し、全英で大ヒットさせつつも1982年には解散。この曲はアダムのソロ・デビュー曲になります。

◆"Goody two shoes"って何だろう?

goody two shoes =いい子ぶる子、ぶりっ子、ということのようです。

由来を調べてみると、1765年の童話" The History of Little Goody Two-Shoes"の主人公 Margery Meanwellのあだ名、が「靴二つ」さん(Goody Two Shoes)。靴を片一方しか持っていない孤児の少女で、お金持ちに靴をもらうと、うれしくてみんなに"two shoes"を持っていると自慢したことから、そんな意味になったそうですよ。(Wikipedia

“ぶりぶりぶりっ子”という意訳は、この2019年にはもう「死語」ですが、この曲が流行していた頃はまだ流行語だったと思われるので(^▽^;)、いいですよね。

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◆アダムはイギリスで大スターにはなったものの、メディアの私生活への侵害にあまりにも腹を立てて、この曲を作ったようですね。

俺は"いい子ちゃん ブリぶりぶりっ子(死語ですが)"だぜ。
(でも本当の俺は違うのさ)

って自嘲して歌ったのがこの曲なのでしょう。

GoodyTwo

◆この曲の"Songfacts"ページから引用します。
アダムはメディアの止まないプライベートの侵害(everlasting intrusion by the press)についてこの曲を書きました。マスコミはいつだって私生活を根掘り葉掘り聞いてきてタブロイドの記事を書きます。アダム・アントは多彩な過去を持つ非常に興味をそそる人物でした。彼は私生活をそっとしておいてほしいと考えたので、自分の行動にはとても注意を払っていました。

アダム・アントは、この歌のことをこう言っています。
:"Goody Two Shoes"は、俺からの一種の返答であり宣言さ。そっとしておいてほしいことはそうしておいてほしいからね。ステージに上がるっていうのはある程度は幻想を創るってことで、それは魔法のようで素敵なことで、俺自身も好きだからしてるんだけど、ステージを降りたら魔法の時間はもう終わりなんだしね。
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Song Title:「Goody Two Shoes」
Artist:Adam Ant


Writer/s: MARCO PIRRONI, ADAM ANT
Publisher: Sony/ATV Music Publishing LLC, Universal Music Publishing Group

Released in 1983
US Billboard Hot100#12
From The Album“Friend Or Foe"
(邦題:フレンド・オア・フォウ~敵か味方か)

With the heartbreak open
So much you can't hide
Put on a little make-up, make-up
Make sure they get your good side
good side

If the words unspoken
Get stuck in your throat
Send a treasure token, token
Write it on a pound note,
pound note
心の悲しみまで知られてるなら
隠せることなんてほとんどないぜ
ちょっとメーキャップするんだ お化粧をね
忘れずにいいとこだけ見せておけよ
いいとこだけ

言葉がのどに詰まって
言うべきことを言えないときは
宝くじでも買うんだよ 宝くじを
1ポンド札に番号でも控えてさ
お札にね
Goody two, goody two, goody goody two shoes
Goody two, goody two, goody goody two shoes
"いい子 お利口 ぶりぶりぶりっ子"
俺は"いい子 お利口 ぶりぶりぶりっ子"
Don't drink don't smoke - what do you do?
You don't drink don't smoke - what do you do?
Subtle innuendoes follow
There must be something inside
酒も飲まない タバコも吸わない-何様だい?
酒もタバコもやりません-そんなヤツいるのかい?
次はギリギリの皮肉かい
腹には一物を抱えてるに違いないけど
We don't follow fashion
That would be a joke
You know we're gonna set them, set them
So everyone can take note,
take note

When they saw you kneeling
Crying words that you mean
Opening their eyeballs, eyeballs
Pretending that you're al green,
al green
流行なんて追ったりしない
そんなの冗談だろ?
俺たちはヤツらを操るのさ 舞台を用意して
そしたら誰もが注目するんだ
注目の的さ

膝まづいてるのを見りゃ
泣いて告白してるように思うだろ?
目ん玉をまん丸くしてな 目を見開いて
アル・グリーンのマネしてるだけなのに
アル・グリーンだよ
Goody two, goody two, goody goody two shoes
Goody two, goody two, goody goody two shoes
"いい子 お利口 ぶりぶりぶりっ子"
俺は"いい子 お利口 ぶりぶりぶりっ子"
Don't drink don't smoke - what do you do?
You don't drink don't smoke - what do you do?
Subtle innuendoes follow
Must be something inside
酒も飲まない タバコも吸わない-誰だいそんなの?
酒もタバコもやりません-そんなヤツいるのよ?
ギリギリの皮肉を言うのさ
腹には一物を抱えながら
No one's gonna tell me
What's wrong or what's right
Or tell me who to eat with, sleep with
Or that I've won the big fight, big fight

Look out or they'll tell you
You're a "superstar"
Two weeks and you're an all time legend
I think the games have gone much too far
誰も俺に話してくれないのさ
何が悪くて何がいいのか
誰とメシを食い 誰と寝ればいいのか
それに俺が過酷な競争に勝ってきたとか

見ていろよ
さもなきゃ ヤツらがこう言うんだ
"あなたはスーパースターです"って
2週間あればいつでも"伝説"になれる
こいつぁ行き過ぎのゲームだぜ
If the words unspoken
Get stuck in your throat
Send a treasure token, token
Write it on a pound note,
pound note
のどに言葉が詰まって
言うべきことを言えないのなら
宝くじでも買うんだよ 宝くじを
1ポンド札に番号でも控えておけよ
お札にね
If the words unspoken
Don't drink don't smoke - what do you do?
You don't drink don't smoke - what do you do?
Subtle innuendoes follow
Must be something inside
(he's hiding)
酒も飲まない タバコも吸わない-何様だい?
酒もタバコもやりません-そんなヤツいるのかい?
次はギリギリの皮肉かい
腹には一物を抱えてるに違いないけど
(ヤツは隠してる)

(Words and Idioms)
goody two shoes =いい子ぶる子、ぶりっ子
with=~が原因で、~のために、~のせいで、その上
get stuck in the throat=喉に詰まる
treasure token=宝くじ
send=〔郵便で〕注文する、依頼する
pound note=ポンド紙幣
What do you do?=お仕事は何ですか?
subtle=微妙な、繊細な
innuendo=〔軽蔑的・中傷的な〕当て付け、皮肉、ほのめかし
follow =次に[後に続いて]起きる[来る]
take note=気付く
go too far=〈事が〉度が過ぎる

日本語訳 by 音時

inner1Adm

◆"What do you do?“は、通常“お仕事は何ですか?”って意味ですね。

酒もたばこもやらない、の後に”お仕事は何ですか?”って聞くのは、やっぱり皮肉ですよね。
ショービジネスの世界で、”酒もたばこもやりません“なんていう「いい子」なんているのかい?ってところでしょうか。

◆歌詞に出てくる“アル・グリーン”。著名なゴスペルのR&Bシンガーでありますが、膝まづいて“crying word”を口にする「真似」をしてるのを“アル・グリーン”みたいだろ?って、やっぱり「ぶりっ子」なんですね(^_^;)。

◆この曲がヒットしていた頃の全米シングルチャートは「ビルボードチャート日記 by 星船」さん よろしくお願いいたします(^▽^)/