メン・アット・ワークのコリン・ヘイは、今年、リンゴ・スター&ヒズバンドの一員として来日します。UDO音楽事務所サイトこの曲は演らないにしても「ノックは夜中に」や「ダウン・アンダー」は歌ってくれるんじゃないかな…!

◆1981年のアルバム"Business As Usual"(邦題"ワーク・ソングス")の大ヒット、メン・アット・ワークはいきなり「ノックは夜中に(Who Can It Be Now?」、「ダウン・アンダー(Down Under)」の2曲の全米No1ヒットを放ち、グラミー賞最優秀新人賞にも輝きました。オーストラリア発"オージー・ロック"という言葉も彼らが作ったと言えます。ですので、セカンドアルバムは世界的にも注目されていました。そして1983年に発表された「Cargo」"カーゴ"。僕もすぐに聴きました。

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◆"cargo"とは 船や飛行機で運ぶ"貨物""積み荷"という意味。アルバムジャケットも旧式の飛行機から落下傘の付いた積荷が落とされているイラストです。これは"オーストラリアから2回目の積荷を受け取ってくれ"って意味なのかな。

◆"Overkill"とは"過剰""やり過ぎ"などの意味と同時に"大量殺戮"という意味もあります。

この曲は1983年に聴いたときには"Overkill"を辞書で引いて"大量殺戮"に頭がいってしまい、戦争で仕方なかったとはいえ、過去に戦場で沢山の兵士をあやめてしまった復帰兵が普通の生活をしても夜眠れず、亡霊が夢に浮かんで出てくる…といった話を歌っているのかなと解釈していました。

(次にシングルカットされた"It's A Mistake"(全米6位)も戦争の話をパロディーにした曲でしたし) でもそういう意味はなさそうですね。この曲のSongfactsに次のように書かれてありました。
リード・シンガーのコリン・ヘイはこの曲について次のように話した:この曲はそのとき起こっていた出来事について書いたんだ。僕らが知らなかった世界に足を踏み入れて経験したことさ。それは恐怖でもあったけど、起こることが避けられないことを知ったということでもある。自分がどこにいるかなんて忘れてしまって、いくつかのことはもう自分ではコントロールできないことに踏み込んでしまったんだ。そんな状況に当時はなっていたのさ。
「Business As Usual」で世界的大ヒットを飛ばした彼らは収入や生活、レコード会社を始めとするショービジネス界、周りの人間の態度などがガラッと変わったことでしょう。余りの変化に付いていけず、夜も眠れず、無理して寝ようとしても悪夢を見てしまう、そして夜の街を意味もなくさまよい、朝になって眠ることができる毎日…この曲はそのように"考え過ぎ"(Overkill)てしまうことを歌にしたようですね。

Overkill MAW

 一方、コリンはこんなことも言っています。
この曲を書いて、初めて僕はソングライターとしてやっていける、という自信がついた。だから僕はこの曲が大好きなんだ。
ミュージシャン、ソングライターとしてターニングポイントとなった曲…って、あるんですね。


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Song Title:「Overkill」 
Artist:Men At Work

Writer/s: Hay, Colin James
EMI Music Publishing, Sony/ATV Music Publishing LLC

Released in 1983
US Billboard Hot100#3
From The Album"Cargo"
I can't get to sleep
I think about the implications
Of diving in too deep
And possibly the complications

Especially at night
I worry over situations
I know will be alright
Perhaps it's just imagination

Day after day
it reappears
Night after night
my heartbeat shows the fear
Ghosts appear and fade away…
眠れないんだ
言葉の裏の意味を考えていて…
だいぶ深く突っ込んでしまったよ
おそらくそれは厄介な問題なのさ

とりわけ夜になると
状況が心配でたまらなくなる
でも大丈夫だってわかってる
たぶん ただの想像の話だから

それは毎日
そいつはまた現れる
それは毎晩
心臓の鼓動 僕は恐れてる
亡霊が現れては
ゆっくりと消えていく…
Alone between the sheets
Only brings exasperation
It's time to walk the streets
Smell the desperation

At least there's pretty lights
And though there's little variation
It nullifies the night
From overkill

Day after day
it reappears
Night after night
my heartbeat shows the fear
Ghosts appear and fade away…

Come back another day
ひとりでシーツにくるまってても
気持ちが高まってくるばかり
外に出て通りを歩くのが良さそうだ
やけになるしかないんだよ

通りには少なくとも
種類は豊富じゃないけれど
かなりの光が瞬いてる
そいつは夜を忘れさせてくれる
「考え過ぎ」の夜から…

それは毎日
そいつはまた現れる
それは毎晩
恐れで鼓動が高鳴るんだ
亡霊が現れては
ゆっくりと消えていく…

もう僕の前に現れないでくれ!…
I can't get to sleep
I think about the implications
Of diving in too deep
And possibly the complications

Especially at night
I worry over situation
I know I realize
It's just overkill
Day after day
it reappears
Night after night
my heartbeat shows the fear

Ghosts appear and fade away…
Ghosts appear and fade away…
Ghosts appear and fade away…
Ghosts appear and fade away…
Ghosts appear and fade away…
眠れないんだ
言葉の意味を深く考えすぎてしまう
深く突っ込みすぎなんだよ
たぶん かえって複雑にしちゃうのさ

とりわけ夜になると
状況が心配でたまらなくなる
でも わかってるんだ
ただの考え過ぎに過ぎないって
来る日も来る日も
そいつはまた現れる
毎夜毎夜のこと
胸の鼓動 恐れが頭を持ち上げる

亡霊が現れては
ゆっくりと消えていく
亡霊が現れ また消えていく…
亡霊が現れ また消えていく…

(Words and Idioms)
implication= 包含,含蓄; 含み,裏[言外]の意味
complication=(思わぬ新たな)やっかいな問題
worry over=心配する,くよくよする
exasperation=激高,憤激
desperation=自暴自棄、死に物狂い、やけくそ、絶望
smell of desperation=やけくそ気味、絶望感[の匂い]
variation= 変動,変化
nullify=(法的に)無効にする,破棄する,取り消す
overkill=(行動などの)過剰,やりすぎ

日本語訳 by 音時

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◆“Overkill”が最高位3位を記録した週の全米チャートです。(Top40Weekly.com)
US Top 40 Singles For The Week Ending June 4, 1983
1 1 FLASHDANCE…WHAT A FEELING –•– Irene Cara (Casablanca)-10 (2 weeks at #1) (1)
2 2 LET’S DANCE –•– David Bowie (EMI-America)-11 (1)
3 4 OVERKILL –•– Men At Work (Columbia)-9 (3)
4 8 TIME (Clock Of the Heart) –•– Culture Club (Virgin)-8 (4)
5 5 SHE BLINDED ME WITH SCIENCE –•– Thomas Dolby (Capitol / Harvest)-16 (5)

6 3 BEAT IT –•– Michael Jackson (Epic)-15 (1)
7 9 MY LOVE –•– Lionel Richie (Motown)-9 (7)
8 6 LITTLE RED CORVETTE –•– Prince (Warner Brothers)-15 (6)
9 7 SOLITAIRE –•– Laura Branigan (Atlantic)-12 (7)
10 10 STRAIGHT FROM THE HEART –•– Bryan Adams (A&M)-13 (10)
フラッシュダンスの1位が続きます(6週連続No1)。フラッシュダンスから1位を奪うのはこの週37位初登場のポリス「Every Breath You Take」です。カルチャー・クラブの「Time」が4位。マイケル、プリンスもゆっくりランクダウン。

◆Men At Work - Overkill (Live, US Festival, 1983)




◆Colin Hay - Overkill (from Scrubs - Lyrically in sequence)



◆「Cargo」から第2弾シングル"It's A Mistake".



(この記事で参考にしたページ)
・Wikipedia Cargo
・Overkill Songfacts