ハーモニカ(ブルースハープ)が歌を歌っているようだ…この曲を初めて聴いたときに、そんな感想を持ちました。
◆ニール・ヤングのアルバム「ハーヴェスト」。
1972年のアルバムで、まだ小さかった僕はリアルタイムでは聴いてませんでしたが、名曲「Heart Of Gold」の収録されたアルバムですので、これは買わねば!と思っていました。そして購入。CDになってからでしたね。
1972年のアルバムで、まだ小さかった僕はリアルタイムでは聴いてませんでしたが、名曲「Heart Of Gold」の収録されたアルバムですので、これは買わねば!と思っていました。そして購入。CDになってからでしたね。
「週末に(Out On The Weekend)」はアルバム「ハーヴェスト」のオープニングを飾る曲です。演奏もニールの歌も淡々としているのですが、ハーモニカだけは主人公の心のなかを歌っているように感じました。
大好きだった女性と別れを告げ、L.Aにて新生活を始めようとする主人公。でも彼女の声がまだ聞こえるんだ…。
(Neil Young)
Released in 1972
From The Album"Harvest"
Think I'll pack it in
and buy a pick-up
Take it down to L.A.
考えてるんだ
もう止めにして
ちっちゃいトラックを買って
L.Aまで乗っていこうって
Find a place to call my own
and try to fix up.
Start a brand new day.
自分の居場所と呼べる場所を見つけて
落ち着こうと思うんだ
新しい生活を始めよう
The woman I'm thinking of,
she loved me all up
But I'm so down today
僕がずっと思っている女性
彼女は僕をとても愛してくれた
でも今日
僕はすっかり落ち込んでるのさ
She's so fine,
She's in my mind.
I hear her callin'.
彼女はとても素敵なひとで
僕の心のなかにいるんだ
今も彼女が呼ぶ声が聞こえるよ
See the lonely boy,
out on the weekend
Trying to make it pay.
孤独なアイツを見てみろよ
週末にひとりぼっちさ
何かを償おうとしているのか
Can't relate to joy,
he tries to speak and
Can't begin to say.
楽しいことなんてあるはずもなく
何か話そうとするけれど
いっこうに言葉が出てこないんだ
She got pictures on the wall,
they make me look up
From her big brass bed.
they make me look up
From her big brass bed.
彼女が写真を壁に貼ってるから
僕は思わずそれを見上げる
彼女の大きな真鍮製のベッドから
僕は思わずそれを見上げる
彼女の大きな真鍮製のベッドから
Now I'm running down the road
trying to stay up
Somewhere in her head.
いま僕は道を駈け下りている
とどまろうとしているんだ
あの娘の頭のなかのどこかにね
The woman I'm thinking of,
she loved me all up
But I'm so down today
僕の心にいる女性
彼女は僕をとても愛してくれた
でも今日 僕はすっかり落ち込んでいる
She's so fine
She's in my mind.
I hear her callin'.
彼女はとても素敵だったし
僕の胸のなかにいるんだ
彼女が呼ぶ声が聞こえる
僕の胸のなかにいるんだ
彼女が呼ぶ声が聞こえる
See the lonely boy,
out on the weekend
Trying to make it pay.
孤独なアイツを見てみろよ
週末にひとりぼっちさ
何かを償おうとしているのか
Can't relate to joy,
he tries to speak and
Can't begin to say.
楽しいことなんてあるはずもなく
アイツは話そうとするけれど
言葉が出てこないのさ...
(Words and idioms)
pack it in=仕事[活動]をやめる
pickup=ピックアップ 《無蓋(むがい)小型トラック》.
fix up=整える、手配する、整頓する
relate=関係がある、関連する うまく折り合う
brass=真ちゅう,
日本語訳 by 音時
◆ここの部分の歌詞、
See the lonely boy,
out on the weekend
he tries to speak and
Can't begin to say....
Can't begin to say....
の部分は「三人称」で歌われていますが…自分、のことなんでしょうね。
そしてまた同じ歌詞を繰り返していきます。心が堂々巡り、なんだと思います…。
◆アルバム「ハーヴェスト」の成功、「Heart Of Gold」の全米No1ヒット。かつては成功に憧れていたニールでしたが、いったん手に入れてみると、スターダムは彼にとっては心地のよいものではなかったようです。
加えて、1973年のツアーの会場でファンの少年が警備の警官に押されて死んでしまう事件などもそれに輪をかけて、やがて彼はインタビューなどでも商業的成功を拒むような発言を繰り返し始めました。
「ファンが百人か百万人かなんてことはどうでもいい。何が売れるかってことと、僕が何をやるかってことは全く別問題なんだ。もしこの二つが同時に満たされたとしたら、それは偶然にすぎないことなんだ」
ニールはこうした発言などを通じて「大人げないスタンドプレイだ」「ファンを無視している」などの非難を浴びたようです。
◆"ナイーヴで神経質"...ニール・ヤングという人は、よくこう言われますね。やりたい音楽をやる、歌いたい歌を歌う、という、とてもシンプルなことであるに過ぎません。でも、人気絶頂のスターという立場やポジションからは、そうした発言は許されなかったんですね…。
ニールの曲はこれから定期的に取り上げたいなと思っております…(^-^)。
◆Neil Young - Out On The Weekend (Live at the BBC 1971)
◆「男には女が必要」…長淵剛さんの歌で"ニールの唄ではないけれど、やっぱり男は女が必要さ"という歌詞があって、どんな曲かなあと想像して聴いたのですが、イメージと違ってました。長淵さんの曲が軽快なのに対してピアノ弾き語りで…。あと女性を"Maid"と表現しているのが違和感あり…。
◆やっぱりこの曲を聴いてしまう名曲「孤独の旅路(Heart Of Gold)」。バックコーラスにリンダ・ロンシュタット、ジェイムス・テイラーが参加してます。
(この記事で参考にしたページ)
・Wikipedia Harvest
・レコードコレクターズ 1989.Jun 特集「ニール・ヤング」
コメント
コメント一覧 (2)
このブログは曲単体での和訳になっているので、2曲が関連、あるいはアルバムトータルで一つの物語をなしているような場合は、どうしてもブツ切りの解釈となってしまいます。そんな点からも何か乗り越えるべき課題を提示していたような…(^▽^;)。考えていきたいと思います。
ぼくも"A Man Needs A Maid"を初めて聴いた時、なんでメイドなんだ?と思いました。でも、このアルバム全体を包んでいる重くて切ない気持ちとして理解すると「なるほど」と思えるのです。
週末に、引っ越してしまおうと思っている一人の男、彼の傷心は、おそらく彼女に裏切られた、捨てられたのではないですね。彼女は愛してくれたんだけど、それは彼が愛されたかった愛し方ではなかったのでしょう。そして、彼の愛し方は彼女に拒まれてしまったのでしょう。一口に言うなら男女の思いのすれ違い・・・それに疲れてしまったのではないでしょうか。
こんなに愛してるのに通じない!女なんてわからない。
もう、女と気持ちを通わせたいなんて思わない。女なんてご飯作ってくれるメイドでいいんだ!気持ちをわかってくれないめんどくさい女なんていらないんだ!
こういう子どもじみたやけくその気持ちなんだと思いました。
でも、「きみとまたいつ会えるのかな?」なんて未練たらしいことも言ってるところがまた子どもじみてる気がして・・・
これがぼくの解釈なんですけど。
ついでですが、このアルバムの"Old Man"の、"I need a someone to love me the all day through"という一節も、傷ついて退行的になった彼の気持ちが痛々しく伝わってくる気がします。