DAVID BOWIE - First TV appearance 1970 - SPACE ODDITY



 冒頭のビデオはボウイが初めてテレビで"スペイス・オディティ"を歌ったときのもの。ギター1本で歌うボウイ。髪型もこんな長髪だったときがあったんだな…。

◆"Space Oddity"は、ボウイが1968年に公開された映画「2001年宇宙の旅」を観たあとに書いた曲と言われています。「2001年宇宙の旅」の原題は"2001: A Space Odyssey"。
 "Oddity"と"Odyssey"はスペルも似ていることから、ボウイは連想して"Oddity"と付けたんでしょうね。ちょうどアポロ11号が人類として初めて月に降り立ったのが1969年の7月。世界が月面着陸に注目した頃にボウイはこの曲を書きました。

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◆"Oddity"という単語は歌詞に出てきません。英和辞典で引くと、
1【不可算名詞】 風変わり[奇異](なこと) 〔of〕.
2【可算名詞】a変人,奇人.b奇妙な事柄などと出てきます。

宇宙で起こった奇妙な事件…宇宙の変人。歌詞の登場人物は「地上管制」と「トム少佐」。トムは宇宙飛行士なんですね。宇宙へ飛び、勇気をもって船外へ。「tin can」は訳すと「ブリキ缶」ということですが、これは宇宙船をそのように例えているのかな。地球の青さの前で…彼は何もできず、ただ見つめるのみ。私たちが住んでいる地球を外から見た光景を前にしたら…誰だってそうなってしまうんでしょうね。

…ところが…トムと地上管制との通信が途絶えてしまいます。トムは果たして…歌はここで終わっていて、何も暗示することがなく、トムの生死は聴者の想像にお任せ…となります。

(後半へ続く)

Writer(s)  David Bowie

Released in1969
UK Single Chart#1
From The Album“David Bowie”

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Ground Control to Major Tom
Ground Control to Major Tom
Take your protein pills
and put your helmet on

地上管制より トム少佐へ
地上管制より トム少佐へ
プロティンピルを飲み
ヘルメットを装着せよ…

Ground Control to Major Tom
Commencing countdown,
engines on
Check ignition
and may God's love be with you

地上管制より トム少佐へ
カウントダウン開始
エンジンスイッチ オン
点火せよ
神のご加護がきみにあらんことを…


[spoken]
Ten, Nine, Eight, Seven, Six,
Five, Four, Three, Two, One, Liftoff
10,9,8,7,6…
…5,4,3,2,1,「発進!」

This is Ground Control
to Major Tom
You've really made the grade
And the papers want to know whose shirts you wear
Now it's time to leave the capsule
if you dare

こちら地上管制
 トム少佐聞こえますか?
きみは成功したんだ
新聞各社はきみが
どんなシャツを着てるか知りたがってる
さあ カプセルを切り離すときがきた
勇気を持って頼むぞ

This is Major Tom to Ground Control
I'm stepping through the door
And I'm floating
in a most peculiar way
And the stars look very different today

こちらトム 地上管制へ
いま私はドアから船外に踏み出した
宙に浮いているのがとてもおかしな感じだ
星たちは今日はだいぶ違って見える

For here
Am I sitting in a tin can
Far above the world
Planet Earth is blue
And there's nothing I can do

私はここ
ブリキ缶の上に座ってる
世界の遠く上にいるんだ
地球は青く
私はただ見つめることしかできない

Though I'm past
one hundred thousand miles
I'm feeling very still
And I think my spaceship knows which way to go
Tell my wife I love her very much
she knows

私は越えてきた
百万マイルも遠くから
心はとても落ち着いてる
私の宇宙船は行き先をわかってるはずだ
妻に伝えてくれ 愛していると…
彼女はわかってるはず…

Ground Control to Major Tom
Your circuit's dead,
there's something wrong
Can you hear me, Major Tom?
Can you hear me, Major Tom?
Can you hear me, Major Tom?
Can you....

地上管制からトム少佐へ
きみの回線が途絶えた
何かがおかしくなってしまった
聞こえますか? トム少佐
聞こえますか? トム少佐
聞こえるか? トム少佐
聞こえ…

Here am I floating
round my tin can
Far above the Moon
Planet Earth is blue
And there's nothing I can do.
 
僕は浮かんでいる
ブリキ缶のまわり
月のはるか遠く上
地球は青い
僕は見つめることしかできない…

(Words and Idioms)
ground control= (航空機・宇宙船などの)地上管制[誘導].
major=【陸軍・米海兵隊・米空軍】 少佐
commencing at once=直ちに、本日より
ignition=点火,発火; 燃焼
liftoff=〔ロケットなどの〕打ち上げ、発射、発進
make the grade=標準に達する, 成功[及第]する
circuit=回路,回線.

日本語訳 by 音時

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◆ボウイは1969年6月に「スペイス・オディティ」の再録音を行い、7月にシングルとして発表しました。その後、BBCのアポロ月面着陸の特番などでテーマ曲がわりに頻繁に流され、イギリスのチャートでは5位まで上がるヒットを記録したようです。

 そのシングルのヒットを受けて、アルバムが制作されます。発売当初は英国盤は「David Bowie」というタイトル、マーキュリー・レコードからの米国盤は「Man of Words, Man of Music」との題名が付けられました。後にボウイのアルバム「ジギー・スターダスト」発表時にRCAより再発売され、その際ジャケットのリニューアル、そして「SPACE ODDITY」へと改題され、以後正式なタイトルとなりました。実際にはボウイのセカンド・アルバムではありますが、ウィキペディアでは「ボウイの原点といえる内容で、実質的なファースト・アルバムともいえる」とされています。

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◆日本でのシングルは「スペイス・オダティー」という表記になっていたんですね。

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◆ボウイは、1980年のアルバム「スケアリー・モンスターズ」収録の"AshesTo Ashes"で、"スペイス・オディティ"のトム少佐について歌っています。
 ベルリン三部作のあと再びアメリカに戻ったボウイ。過去の自分を清算するがごとく、歌詞のなかで"ロジャー少佐は麻薬中毒者(ジャンキー)だった"と歌いました…。
 そしてボウイは次にあの「Let's Dance」の製作に入っていきます。彼の音楽の方向性が大きく変わった作品となります…。


◆これはスゴイ。実際の宇宙飛行士さん(クリス・ハドフィールド)が宇宙で「Space Oddity」を唄っちゃってます。(若干歌詞を変えている)



◆1969年版「スペイス・オディティ」のオリジナルビデオです。ボウイが地上管制とメジャー・トムに扮し、幻想的な映像を作成しています。




◆こちらオフィシャル・ビデオ。カウントダウンの声や効果音などを加えて作成されました。こちらのバージョンが一般的に聴かれているものですね。




◆ボウイが産んだ宇宙飛行士"トム少佐"というキャラクターは、様々なアーチストが作品にしています。
 1983年にはドイツ人アーチストのピーター・シリング(Peter Scilling)が、トム少佐を主人公にした「Major Tom(Coming Home)」を歌い、話題にしました(全米14位)。「トム少佐はジャンキー」とボウイが決着をつけたかのように思われていたところ、トムは自ら進んで孤独に宇宙を彷徨うことにしたのではなく、今も地球に帰りたいともがき奮闘しているのだ、と歌っています。サウンドはシンセサイザーをふんだんに使ったヨーロピアンポップ。