アルバム"Let's Dance"はタイトル曲"Let's Dance"が全米1位になったけど、レコードをA面から聴こうと針を落としたときに、流れてくるこの曲"モダン・ラヴ"の疾走感! なんてカッコいいんだ!と思いました。PVも実際に行われているツアーの映像を使っていたんですね。

◆当時は歌詞の深いところまでは考えずに、"モダン・ラヴ"っていうくらいだから、"イマドキの恋愛"について歌ってるんだろうな。対義語は"Old-fashion Love"?とするのなら、やっぱり「純愛」「プラトニック」「この人だけ」って感じだから、軽くてドライであっさり、複数の異性とも同時に付き合っちゃう感じ…?などと思ってました(^▽^;)。

  でも今回和訳してみて…"モダン・ラヴ"とは言ってるものの…いわゆる「恋愛」を歌った歌ではないのだなと思いました。そしてまた"モダン・ラヴなんて信じるな!"と言っていたんですね。

LetsDanceBowie

◆冒頭で「新聞配達の少年をつかまえる」というのも比喩表現なんだろうな。「新聞配達の少年をつかまえて、新聞の配達を止めさせても、書かれてあるニュース=社会は変わらない」ってことでしょうか。風のなかに立ち尽くしたり、雨のなか横になっている僕だけど…でも決してサヨナラはしない(あきらめてない)、僕は挑戦するんだ(But I try!)。
  
 そしてボウイが何に挑戦するのか…というと。"モダン・ラヴには騙されたりしない"ということ。
コーラス部分の作りも面白いですよね。(Mordern Love)が繰り返されますが、2回めの繰り返しになると、コーラスが1回目の歌詞のラストにある(Church On Time)になる。そして同じように3回めは(God And Man)に。いずれにしても、この曲の主題はこの3つがキーワードになっていると思います。

「Love」というのは男女間の恋愛ではなく、「神への信仰」を歌っているんだろうな。
「現代の信仰」(Modern Love)は、決められた時間に教会に行って(Church On Time)、神と人間の宗教を押し付けてくる(puts my trust in God and Man)ものである、と歌っているのだと受け取りました。
(続きは後半で)

Writer(s): David Bowie

Released in 1983
US Billboard Hot100#14
From The Album“Let's Dance”

MOdernDavid

(Spoken)
I know when to go out
And when to stay in
Get things done…
僕はわかってる

いつ出て行くのか
いつ留まるのかを
やるべきことを行うために…

I catch a paper boy
But things don't really change
I'm standing in the wind
But I never wave bye-bye

新聞配達の少年をつかまえる
でも物事は実際には変わらない
僕は風のなかに立ち尽くしてる
でも決して
サヨナラと手を振ったりはしない

But I try
I try

それでもやるんだ
やり続けるのさ

There's no sign of life
It's just the power to charm
I'm lying in the rain
But I never wave bye-bye

生きていく証しはどこにもない
何か惹きつける力があるだけだ
僕は雨のなかに横たわってる
でも決して
あきらめたリはしないさ

But I try
I try

僕は挑戦する
僕は挑むのさ

Never gonna fall for
(Modern Love)
walks beside me
(Modern Love)
 walks on by
(Modern Love)
 gets me to the Church on Time

騙されたりしない
(モダン・ラヴに)
僕のそばを歩いてる
(モダン・ラヴは)
ずっと僕の隣りにいる
(モダン・ラヴは)
僕を時間通りに教会に連れて行くのさ

(Church on Time)
terrifies me
(Church on Time)
makes me party
(Church on Time)
puts my trust in God and Man

(決まった時間の礼拝)
僕を怖がらせる
(決まった時間の礼拝)
僕はその一員になる
(決まった時間の礼拝)
神と人の信仰を押し付けるんだ

(God and Man)
no confessions
(God and Man)
no religion
(God and Man)
don't believe in Modern Love
(神と人)
懺悔なんかない
(神と人)
信仰なんてない
(神と人)
モダン・ラヴを信じちゃいけない

It's not really work
It's just the power to charm
I'm still standing in the wind
But I never wave bye-bye

そんなもん本当は影響しないんだ
ただ魅惑するだけのものだから
僕はいまだ風のなかに立ち尽くしてる
でも 決してサヨナラは言わないよ

Never gonna fall for
(Modern Love)
walks beside me
(Modern Love)
 walks on by
(Modern Love)
 gets me to the Church on Time

騙されたりしない
(モダン・ラヴに)
僕のそばを歩いてる
(モダン・ラヴは)
ずっと僕の隣りにいる
(モダン・ラヴは)
僕を時間通りに教会に連れて行くのさ

(Church on Time)
terrifies me
(Church on Time)
makes me party
(Church on Time)
puts my trust in God and Man

(決まった時間の礼拝)
僕を怖がらせる
(決まった時間の礼拝)
僕はその一員になる
(決まった時間の礼拝)
神と人の信仰を押し付けるんだ

(God and Man)
no confessions
(God and Man)
no religion
(God and Man)
don't believe in Modern Love

(神と人)
懺悔なんかない
(神と人)
信仰なんてない
(神と人)
モダン・ラヴを信じちゃいけない…

(Words and Idioms)
fall for=〈人・もの〉にほれ込む〈計略・宣伝など〉にひっかかる

日本語訳 by 音時

DAVID_BOWIE_MODERN+LOVE-631600

◆こんな解釈をした背景ですが、ウィキペディアに次のような情報がありました。
・ボウイはこの曲はリトル・リチャードに影響を受けた、そしてアルバムのテーマでもある"神と人間に挟まれた葛藤"( a struggle between God and man)について歌った歌であると言っています。

・また、歌詞に出てくる "Get me to the church on time"という部分については、映画「マイ・フェア・レディ」の 挿入歌 "Get Me to the Church on Time"から取ったものであるとコメントしています。
 政治や社会によって都合よく解釈され、他の人と同じように行動することが信仰ではない、「神と人間に挟まれた葛藤」について、自分自身の価値観をしっかり持っていくんだ、ということでしょう。
  挑み続けるボウイの姿勢はとてもカッコいいですね。ボウイの曲の歌詞をしっかり理解するのには、ボウイ自身の変遷をしっかりととらえ、また、曲の歌詞以外の発言にも注目をしていく必要があるのでしょうね。

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◆“Modern Love”が最高位14位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles For The Week Ending November 12, 1983

ケニー&ドリーのデュエット(作者はBee Geesのバリー・ギブ)を蹴落して、ライオネルリチ男が首位に。4位にはマイケル&ポールのデュエットが迫ります。クワイエット・ライオットが7位、このヒットにはビックリしました。11位シーナの"テレフォン"。好きなポップソングだったなあ。

-1 2 ALL NIGHT LONG (All Night) –•– Lionel Richie
-2 1 ISLANDS IN THE STREAM –•– Kenny Rogers with Dolly Parton
-3 5 UPTOWN GIRL –•– Billy Joel
-4 6 SAY SAY SAY –•– Paul McCartney & Michael Jackson
-5 3 TOTAL ECLIPSE OF THE HEART –•– Bonnie Tyler

-6 4 ONE THING LEADS TO ANOTHER –•– The Fixx
-7 12 CUM ON FEEL THE NOIZE –•– Quiet Riot
-8 8 DELIRIOUS –•– Prince
-9 7 MAKING LOVE OUT OF NOTHING AT ALL –•– Air Supply
10 11 SUDDENLY LAST SUMMER –•– The Motels

11 9 TELEFONE (Long Distance Love Affair) –•– Sheena Easton
12 10 TRUE –•– Spandau Ballet
13 17 LOVE IS A BATTLEFIELD –•– Pat Benatar
14 15 MODERN LOVE –•– David Bowie

◆ライヴ・エイドのステージでの"Modern Love".




◆2003年 ニューヨークのロックフェラープラザでの屋外ライヴ。ボウイも楽しそうだ。




◆"マイ・フェア・レディ"サントラより"Get Me to the Church On Time"。