やっぱり今日はダンの曲を聴きたくなります…。
この記事は既掲載記事です。
*************
12月16日は、数年間の闘病生活のあとダン・フォーゲルバーグがこの世を去った日です。
クリスマス・イヴを舞台にした素晴らしい曲をありがとう。R.I.P Dan Fogelberg!
◆この曲「懐かしき恋人の歌」は最初にシングルとしてリリースされ全米9位を記録。とても好きな曲でした。
シングルが先行してヒットしていたのですが、この曲の入ってるアルバムが出るっていうんで「絶対に買う!」と決意してたら、なんとレコード2枚組。2枚組は当時¥3,800か¥4,000。お小遣いが一発で吹っ飛びます。悩んだ末購入。たしか最寄駅のレコード屋さんで予約購入し、2枚組のずっしりとした重さを噛みしめながら家に急いで帰った覚えがあります。
白いジャケットは汚しちゃいけないって人に貸すのをためらったなあ。真ん中の絵の部分はエンボス加工でちょっとでっぱってたような気がする。触る時にも「純真さ(イノセント)」を表す「白」を汚しちゃいけないと神経使いました・・すでにその時は、「風に呼ばれた恋(Hard To Say)」はヒットしていてこれもイーグルスのグレン・フライのバックボーカルがよくて好きだったですね。
LPでいうとB面が秀逸でこの曲と、「Run For The Roses」とマーチングバンドの音が入る「Leader Of The Band」が好きで一番よく聴いてました。そしたらやっぱり!この2曲はその後シングルカットされてチャートインしましたよね。
◆Same Old Lang Syneに話を戻します。イヴの夜に昔の恋人に偶然再会して…そのときの思いについては当時の若い僕にはなんとなくしかわかりませんでした。でも2人の再会、過去と現在に乾杯!そして再会を誓いあった二人、彼女を見送ったあと、帰ろうと思ったら…雪は雨に変わった…っとここで、マイケル・ブレッカーのサックスが入ってオリジナルの「Auld Lang Syne」のメロディが…。甘酸っぱい気持ちが哀愁を帯びて…。名曲だと思います。
この曲、洋楽和訳ブログを初めてから、クリスマスシーズンに訳したいと思っていた1曲でした。
Songwriters: Fogelberg, Dan
lyrics c EMI Music Publishing
Released in 1981
US Billboard Hot100#9
From The Album“The Innocent Age”
*原詞の引用は太字
Met my old lover in the grocery store
The snow was falling Christmas Eve
I stole behind her in the frozen foods
And I touched her on the sleeve
スーパーマーケットで昔の恋人に会った
雪の降るクリスマスイヴの夜のこと
僕は冷凍食品の後ろからこっそり近付き
彼女の袖を引っ張ってびっくりさせたんだ
She didn't recognize the face at first
But then her eyes flew open wide
She went to hug me
and she spilled her purse
And we laughed until we cried.
彼女は僕の顔を最初は気付かなかったけど
わかったみたいで目を大きく見開いた
抱きついてきて
財布の中身をぶちまけちゃった
僕たち笑いすぎて泣いちゃったね
We took her groceries
to the checkout stand
The food was totalled up and bagged
We stood there lost in our embarrassment
As the conversation dragged.
彼女の買った食料品をレジに持っていき
支払ってバッグにつめた
僕たちは これからどうしようって困って
立ったまま他愛のない会話を続けたね
We went to have ourselves a drink or two
But couldn't find an open bar
We bought a six-pack at the liquor store
And we drank it in her car.
ちょっとお酒でもと思ったんだけど
開いているバーも見つからない
そこで酒屋さんで6本パックの缶を買って
彼女の車の中で飲むことにしたんだ
We drank a toast to innocence
We drank a toast to now
And tried to reach beyond the emptiness
But neither one knew how.
僕たちの変わらぬ純粋な心に乾杯し
今の僕たちに乾杯したね
気まずい空気を打ち消そうとしたけど
二人ともその術がわからなかったね
She said she'd married her an architect
Who kept her warm and safe and dry
She would have liked to say
she loved the man
But she didn't like to lie.
彼女は建築家と結婚したって言った
優しくて堅実で真面目な人だと言っていた
でも彼を愛してるとは言えなかった
彼女は嘘をつけない人だから
I said the years had been a friend to her
And that her eyes were still as blue
But in those eyes I wasn't sure
if I saw doubt or gratitude.
それじゃあ元気に過ごしてたんだねって
彼女に言った
彼女の瞳は変わらずブルーだったしね
その瞳のなかに何かを見たけど
疑ってたのか嬉しさなのかは
わからなかった
She said she saw me in the record stores
And that I must be doing well
I said the audience was heavenly
But the traveling was hell.
彼女は僕をレコード店で見かけたそうだ
元気にやってるんだって思ったって
僕は聴いてくれる人は皆いい人達だけど
ツアーの過酷さは地獄だ
と言ってしまったよ
We drank a toast to innocence
We drank a toast to now
And tried to reach beyond the emptiness
But neither one knew how.
We drank a toast to innocence
We drank a toast to time
Reliving in our eloquence
Another 'auld lang syne'...
僕たちの変わらぬ純粋な心に乾杯し
今の僕たちに乾杯した
黙ってる時間をなんとかしたかったんだ
二人ともどうしていいかわからずに…
僕たちが今でも持ってる純粋さに乾杯し
過ごしてきた時に乾杯した
再びおしゃべりを楽しんで
再会を誓いあったんだ…
The beer was empty
and our tongues were tired
And running out of things to say
She gave a kiss to me as I got out
And I watched her drive away.
ビールを飲みきり 僕たちはしゃべり疲れた
たいがいのことはすべて話してしまった
彼女は僕にキスしてくれて
僕は車の外に出た
そして彼女が車で去るのを見届けたのさ
Just for a moment
I was back at school
And felt that old familiar pain
And as I turned to make my way back home
The snow turned into rain --
ちょっとの間だけでも
学生時代に戻った気分だった
昔の懐かしい心の痛みを感じてたんだ
さて...僕も帰ろうかと振りむいた時に、
ちょうど 雪が雨に変わっていったんだ...
(Words and Idioms)
total up=合計する
drag=だらだら長く続く
would have liked to
=~したかった、けどできなかった
relive=甦る 追体験する
eloquence=雄弁
日本語訳 by 音時
日本では「バンド・リーダーの贈りもの」のB面に収録されました。
◆Same Old Lang Syneが最高位9位になった週のチャートです。
US Top 40 Singles February 21, 1981
Koolのセレブレーションを蹴落として、ドリーパートン9 to 5が1位。翌週はエディラビットの「雨の夜が好き」が1位。ちなみにその後はREOが1位になり、いよいよJohnの「Woman」が1位に!と思ってたら、この週19位のBlondieさんRaptureが追い抜いて1位になってしまい、Womanは残念ながら2位止まり(泣)。いい曲がチャートインしていましたね。
1 2 9 TO 5 –•– Dolly Parton
2 3 I LOVE A RAINY NIGHT –•– Eddie Rabbitt
3 1 CELEBRATION –•– Kool and the Gang
4 6 WOMAN –•– John Lennon
5 4 THE TIDE IS HIGH –•– Blondie
6 8 KEEP ON LOVING YOU –•– REO Speedwagon
7 12 THE BEST OF TIMES –•– Styx
8 9 GIVING IT UP FOR YOUR LOVE –•– Delbert McClinton
9 11 SAME OLD LANG SYNE –•– Dan Fogelberg
10 10 HEY NINETEEN –•– Steely Dan
◆切々と歌うダン…。
(この記事は以下を参考にしました)
・Wikipedia Same Old Lang Syne
・Wikipedia The Innocent Age
コメント
コメント一覧 (16)
発売順というわけではなく、手当たり次第にアルバムを聴いています。苦手な曲は飛ばしながら…。なんの心境の変化か、今年はアップテンポの曲がお好みです。それに、今まではそれほど聞かなかった『The Wild Plases』が、とても気に入っています。
年月とともに、後期の作品も理解できるようになったのかも…。
この「Same Old Lang Syne」では、なぜかダンの近況に目が行きました。「レコード店で見かけた」のは、レコードのジャケットなのかなとか…。ツアーは、「地獄」と言えるほど過酷なのだろうなとか…。いろいろ考えています。
結論。 飾り気のない、ありのままの歌詞が、この曲には合うのだ。
Danのアルバム中では一番のおきにいりです。
1981年当時のチャートを見ると、「REO Speedwagon」「Styx」「Steely Dan」がいるではないですか! いい時代です。
それ以上に目を引くのは、ジョン・レノンの「 WOMAN」 そっか、ジョンの死から数ヶ月のチャートなんですね!!
イヴの夜に昔の恋人に再会。それから、思い出に乾杯してお互いの近況を報告し合う。そんな物語が哀愁たっぷり曲想で語られていく。最高じゃないですか。
さらに、彼女を見送ったあと雪は雨に変わるというところも好きです。凍えていた心まで温められたのがうまく表現してあると思います。そしてサックスソロ。見事です。
ダンは素晴らしい曲をたくさん作りましたが、そんな中でも「傑作の一つ」だと思います。
アルバムは学生の小遣いではキツかったけど、買ってよかった、大満足のアルバムでした。
この機会に、「Old Lang Syne」について調べました。スペルは「Auld Lang Syne」 と書き、「Times Gone by」 という意味だそうです。 スコットランドに古くから伝わる曲で、年始、披露宴、誕生日などに歌われる。(えー、年末や卒業式では、ないんだ!)
スコットランドのロバート・バーンズが、従来の歌詞をもとにして書き直した。内容は、「旧友と再会し、酒を酌み交わしつつ、思い出話をする。」
なるほど! 勉強になってしまいました。
やっぱり、お金がなかったのでシングル盤で我慢しました。
バンドリーダーの贈り物のB面で販売だったので、お得だったかな。
サックスの蛍の光がまた耳に残って、子供の頃はなんで最後に入ってるんだろ?と、思って聴いてましたが、大人になってから和訳も知って聴くとまたジーンときますね。
いつも楽しみにしてます。
ありがとうございます!
Just for a moment
I was back at school
And felt that old familiar pain
のところは自分の思い出とちょっと重なって切ない…
ところで、これ、飲酒運転ですよね‥
若い時から知ってる曲ですが 年を経るにつけ 思い出の大切さや美しさを感じさせてくれますね
こんな素敵な出来事はないけど 疑似体験(妄想?)させてもらってます
何度聞いても 最後のピアノからサックスに移る辺りで切なくなります