この曲はフレディがジョンと自分の人生を重ねて歌っているようです…。

(この記事は昨年の再掲載記事です)

 クイーンのメンバー達は、ジョンが撃たれた翌日、ロンドンのウェンブリー・アリーナのライヴにて「Imagine」を歌い追悼しました。またフレディは1982年発表のアルバム「Hot Space」にて、この「Life Is Real(Song For Lennon)」を歌っています。

◆この曲の歌詞は、John Lennonの曲の歌詞を踏まえて作られています。

表題「Life Is Real」は、そうジョンの「Love」の“Love Is Real”から、そしてビートルズ時代の「Strawberry Fields Forever」から“Nothing is Real”という歌詞をもじってますね。また、ピアノの4つ打ちは、ジョンの 「(Just Like) Starting Over」や 「Beautiful Boy」、さらにいうと「Mother」のイントロ部分をオマージュしているようにも思えます。「Mother~You Had Me」と「Guilt Stain~」は歌いだしのメロディが同じですしね。

 演奏もブライアンのギターは、何気にジョージ・ハリスンのスライドギターを思い出させます...。

Writer: MERCURY, FREDDIE
Lyrics c EMI Music Publishing

Released in 1982
From The Album"Hot Space"

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Guilt stains on my pillow
Blood on my terraces
Torsos in my closet
Shadows from my past
Life is real
Life is real
Life is real
so real

罪が枕の上に残ってる
血が僕のテラスの上に流れてる
未完成な作品(トルソー)は
クローゼットのなかにしまわれてる
過去から影がついてくるんだ
人生は今そこにある
人生は生々しい現実
人生は現実
つくりものなんかじゃない

Sleeping is my leisure
Waking up in a minefield
Dream is just a pleasure dome
Love is a roulette wheel
Life is real
life is real
Life is real
oh yeah

眠ることが僕の喜びさ
でも地雷に目を覚めさせられ
夢はただの快楽の大聖堂にすぎない
愛は回り続けるルーレットなんだ
人生は今そこにある
人生は生々しい現実
人生は現実

Success is my breathing space
I brought it on myself
I will price it I will cash it
I can take it or leave it

成功するまでは一息つくこともなかった
僕が自身でようやくものにしたんだ
モノに値段をつけて 現金払い
取っておこうと捨てようと
どうしようと勝手なんだ

Loneliness is my hiding place
Breast feeding myself
What more can I say?
I have swallowed the bitter pill
I can taste it I can taste it
Life is real
Life is real
Life is real

孤独が僕の隠れ場所
自分自身ひとりでやってきた
何をこれ以上言えっていうんだい?
苦い薬も飲んできたんだ
苦さを味わって飲んでやる
人生はリアル
目の前に起こってること
それが僕の人生

Music will be my mistress
Loving like a whore
Lennon is a genius
Living in every pore

音楽は僕の女主人様
愛はまるで身体を売る女達
レノンは「楽精」
生きることは到る処に


Life is real
life is real
Life is real
so real

Life is cruel
Life is a bitch
Life is real
so real

Life is real
Life is real yeah
Life is real

生きていかなければならない現実
目の前にある現実

生きていくことは残酷
生きていくのはぎゃんぎゃんうるさい
人生は現実
ものすごく生々しい

人生は作りものじゃない
人生は生々しい
それが僕の人生

(Words And Idioms)
minefield=地雷
breathing space=考える機会 一息
Breast feeding =母乳で育てる
mistress=女主人
whore=売春婦 尻軽女
in every pore=到る処に、遍く(あまね)く

日本語訳 by 音時
(Thanks to Delaney Smith)

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 Freddieはこの曲について以下のようにコメントしています。
「この曲は僕にしては珍しく、まず最初に歌詞が浮かんだんだ」「夢中になって何ページも何ページも色んな言葉を書きだしていったんだよ。あとはそれにただ曲を乗せただけだ。そういうやり方をするのがレノンっぽいものになるような気がしてね」。

 この歌詞はジョン・レノンを歌い、そしてまたフレディ自身を歌っているように思います。
言葉はシンプルなのですが、訳すのは結構難しい曲でした。「Music is my mistress」とか「 Loving like a whore」など、フレディじゃなきゃ使わない単語でもありますよね。皮肉も含まれている表現です。意味は深く考えるとそういうことかなあといろいろ想像しますが「音楽は僕の女主人様なんだ」「愛はまるで身体を売る女達」以上に意訳をしない方がいいのかなとも思いました。「Breast feeding myself」ですが、調べると「Breast feeding」は「母乳で育てること」だったので、「自分で自分の乳を飲んで育った」=自分ひとりで生きてきた、と訳しました。

◆Johnが亡くなられた翌日のロンドン・ウェンブリーアリーナでQueenの歌う「Imagine」。




(この記事は以下を参考にしました)
・全曲解説シリーズ「クイーン」シンコーミュージック
・Wikipedia Hot Space
・Wikipedia Life Is Real