今月に東京ドーム2daysの来日公演を控えてるテイラー・スウィフト、米中間選挙も関係して、話題になっています!



トランプ政権発足からまもなく2年。本日11月6日には中間選挙がありますが、SNSの発達によりセレブ達の言動が多くの有権者に影響を与えているようですね。テイラー嬢の呼びかけに、24時間で6万5,000人が投票のための必須の有権者登録を行ったことで話題になってますね。

◆現代女性の憧れ!「強くてしなやかな女性」を代表するテイラー・スウィフトの、初の政治的発言の背景(UNIVERSAL MUSIC JAPAN

◆今やスーパースターとなったテイラー嬢ですが、僕も2012年のアルバム"Red"の頃まではちょくちょく聴いていたのですが、最近の作品には疎くなってしまいました(^▽^;)。 ですので最新アルバム"raputation"もまだ聴いていないのですが、アルバム"Red"で好きな歌を1曲、和訳させていただき、祝来日としたいと思います。

Red Taylor1

<この曲"All Too Well"について> 

「Taylor Swift THE PLATINUM EDITION」(KANZEN)を参考にさせていただきました。

・"All Too Well"は、アルバム"Red"のなかで「テイラーが一番最初に書き始めた曲で、もっとも書くのに苦労した曲」と紹介されています。つらい失恋の想い出だったようで、完成に半年かかったそうです。
・テイラーは次のように言っています。
「息ができなくなるほどつらかった。だからその恋愛の最初から最後まで全部を曲にしてみたの。そうしたら10分くらいの曲になっちゃって」

◆はい、"All Too Well"はテイラー自身の体験を元にした失恋の歌です。だからというのもあるのでしょうか、主人公のせつない気持ちがとても伝わって来るし、歌われてる風景が目に浮かぶようでもありました。(続きは記事の後半で)


written by Swift and Liz Rose.

Released in 2012
From The Album“Red”

Red Taylor2

:原詞は太字

I walked through the door with you,
the air was cold
But something 'bout it
felt like home somehow
And I left my scarf there
at your sister's house
And you've still got it
in your drawer even now

あなたと一緒にドアをくぐったわ
空気は冷たかったけど
どうしてか 家にいるような
安心感があった
あなたのお姉さんの家に
スカーフを忘れちゃった私
あなたは引き出しに取ってあるのね
今でもまだ


Oh, your sweet disposition
and my wide-eyed gaze
We're singing in the car,
getting lost Upstate
Autumn leaves falling down
like pieces into place
And I can picture it
after all these days


ああ あなたは優しい性格なのを
私は大きく目を見開いて見ていたの
二人で車のなかで歌を歌ってて
ニューヨークの北で迷ったこともあったわ
秋の落ち葉はまるでパズルのピースのように
決められた場所を埋めていく
私は今でも想い出せる…
もう何年も前のことだけど

And I know it's long gone
And that magic's not here no more
And I might be okay
But I'm not fine at all


わかってる 昔のことだって
そんな魔法はもうここにはないのよ
大丈夫は大丈夫かもしれないけど
本当は全然大丈夫じゃない

Cause there we are again
on that little town street
You almost ran the red
'cause you were looking over at me
Wind in my hair,
I was there,
I remember it all too well


だってあの小さな街の通りで
また私たちは出会っているの
あなたは私を見ていて
あやうく信号無視をするところだった
風が私の髪をなでていく
私はそこにいたの…
覚えてるんだ はっきりと…

Photo album on the counter,
your cheeks were turning red
You used to be a little kid with glasses
in a twin sized bed
And your mother's telling stories about you
on a tee ball team
You taught me 'bout your past,
thinking your future was me


カウンターの上のフォトアルバムを見ると
あなたは照れて赤くなってた
メガネをかけた少年のあなた
ツインサイズのベッドで寝てたんだね
あなたのお母さんが教えてくれた
Tボールのチームで活躍したあなたの物語
あなたが教えてくれた昔の話を
あなたの将来は私と一緒と思ってた

And I know it's long gone
And there was nothing else I could do
And I forget about you long enough
To forget why I needed to


わかってる もう過ぎ去ったこと
もう今さらできることなんてない
ずっとあなたのことを忘れていたから
なぜ忘れようとしてたのかも忘れていたの

'Cause there we are again
in the middle of the night
We're dancing around the kitchen
in the refrigerator light
Down the stairs,
I was there,
I remember it all too well, yeah


だってそこにまた私たちの姿があるの
真夜中過ぎの私たち
冷蔵庫の明かりで
キッチンで踊ってる私たちの姿が
階段を降りたところで
私は確かにそこにいたの
覚えてるんだ いやと言うほど…

Well, maybe we got lost in translation,
maybe I asked for too much
But maybe this thing was a masterpiece
'til you tore it all up
Running scared, I was there,
I remember it all too well


ああ お互いの想いがすれ違っちゃったのか
もしかして
求めすぎちゃったのかもしれないね
でもたぶんこれが最高の恋だった
あなたが引き裂いてしまうまで
怖がっちゃった私がそこにいた
覚えてる いやと言うほど…

Hey, you call me up again
just to break me like a promise
So casually cruel
in the name of being honest
I'm a crumpled up
piece of paper lying here
'Cause I remember it all,
all, all... too well

ねえ また電話してくるのね
守れない約束みたいに
私をボロボロにしてしまうのよ
誠実でありたいからって
平気な顔をして残酷なあなた
私はここに捨てられた
くしゃくしゃに丸められた紙きれ
だって覚えてるの
とても ぜんぶが いやというほど…

Time won't fly,
it's like I'm paralyzed by it
I'd like to be my old self again,
but I'm still trying to find it
After plaid shirt days and nights
when you made me your own
Now you mail back my things
and I walk home alone...

時間は飛ぶようには過ぎないわ
私はしびれたように動けないまま
もう一度昔の私に戻りたいけど
それが想い出せないの
チェックのシャツを着ていたあの毎日
私はあなたの恋人だった
でもいまは私の持ち物は送り返され
私はひとり歩いて帰る…

But you keep my old scarf
from that very first week
'Cause it reminds you of innocence
and it smells like me
You can't get rid of it
'cause you remember it all too well, yeah


でも二人が出会ったあのときから
私のスカーフは持っているのね
だってそれはあなたに
あの純粋だった日々と
私の香りを想い出させるから
あなたも捨てられずにいるのね
あなたも覚えてるんだ はっきりと…

'Cause there we are again,
when I loved you so
Back before you lost
the one real thing you've ever known
It was rare, I was there,
I remember it all too well


私たちはまた繰り返してる
あなたが大好きだったあの頃の想い
たった一つの経験したこともない本物の愛を
あなたが失くしてしまう前のこと
あんな恋はもうできない
私はそこにいた
いやというほど 覚えている

Wind in my hair,
you were there,
you remember it all
Down the stairs, you were there,
you remember it all
It was rare,
I was there,
I remember it all too well


風が私の髪をなでていく
あなたもそこにいた
覚えているよね
階段の下に あなたはいたわ
覚えてるよね
あんな恋はもうできない
私もそこにいた
いやというほど 忘れられないでいる…


(Words and Idioms)
disposition=〔人の〕気質、素質、傾向、性質、
wide-eyed=(驚きで)目を大きく見開いた
upstate=主要都市から北に離れた地方; (特に)ニューヨーク州の北部
fall into place=
〔物が〕正しい場所に収まる
〔物事が〕落ち着くべき所に落ち着く、うまく収まる、うまくいく
run a red light=赤信号を突っ切る[無視して走る]、信号無視をする
know all too well
~が嫌というほど分かっている
tee ball
《野球》Tボール◆まだ投げたボールを打つことができない子どもがスタンド(ティー)の上に置かれたボールを打つ野球遊び
lost in translation=《be~》〔重要な伝達事項などが〕翻訳で失われる
(異文化をまるごと正しく移し替えるのは無理で、かならずなにかが失われてしまう)
masterpiece=傑作、名作、代表作
run scared=ビクビクする
casually=何気なく; 不用意に
crumple up=クシャクシャになる、めちゃくちゃに破壊される
paralyze=〈…を〉まひさせる,しびれさせる
plaid shirt=格子縞のシャツ


日本語訳 by 音時

20180619-taylorswift_full


◆単語や熟語もとてもたくさん引かせていただき、英語の勉強にもなりました(^▽^;)。

・まずはタイトルになった"All too well"。

"まったく~すぎる"という意味で「本当によく覚えてる」~「骨身に染みて覚えてる」~「いやというほど覚えてる」なんて意味のようです。"I remember"というだけの歌詞と"I remember all too well"の違い…忘れたいけど忘れられない、いやというほど…という気持ちが込められてるんですね。

・"Autumn leaves falling down like pieces into place"について。

"fall into place"というイディオムは"正しい場所に収まる"という意味で、これに「秋の落ち葉が落ちてくる」と絡んできますね。これを"pieceのように"と表現しているところから、秋の落ち葉のジグソーパズルが頭に浮かびました。それぞれのピースはあるべき場所に嵌ります。すると…道を落葉がすべて覆っていく光景を表現したのかなと思いました。

・"maybe we got lost in translation"。

"翻訳が入ることによって、元の意味から正確には何かが失われてしまうこと"ですね。恋人同士にこの言葉を使うなんて…!もちろん二人は異国語を話すカップルだったわけではありませんが、お互い、口から出る言葉と本当の気持ちが違ってしまい、想いが正しく伝わらない。二人の気持ちがすれ違ってしまったさまを表したのかな、と思いました。

・"'Cause there we are again"について。

過去と現在を意識して、できるだけ正確に和訳したいと常々思っているわけですが、ここでは現在形で表現されています。といっても、本当に二人が再度出会ったわけではないのだろうと思いました。でも現在形で表している…つまり、想い出の場所(彼が彼女に見とれて信号無視をしそうになった小さな町の通り)や、想い出の時間帯(キッチンで冷蔵庫の明かりをつけて踊った真夜中の時間帯)になるとそこに二人の姿が見えてしまう(思い出してしまう)ことを現在形で表現したのではないか、と。

すべて勝手な解釈です(^_^;)。でもこうした歌詞も僕にとってこの曲が好きになった理由となってます。

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テイラー嬢が若い女性に人気があるのがよくわかります…!
ぜひ"reputation"ツアーでもこの曲歌ってくれるといいですね。