"Let It Be"の記事にも書いた、僕が初めてビートルズをラジオで聴いたときの、日本での売上ベスト5。“Yesterday”はその第4位でした。
この哀愁漂う名曲“Yesterday”ですが、当初の仮タイトルが“スクランブル・エッグ”だったという話は有名ですね。
◆“ある朝、目を覚ましたポールの脳裏に天の啓示を受けたかのように美しいメロディが浮かんできた。当然、朝食前の出来事で、朝食の連想から、まだメロディだけのその曲につけたタイトルは「スクランブル・エッグ」だった”(「もっとビートルズ!」より)
そして後から歌詞をつけたわけですが、ポールに言わせると、この曲はラヴ・ソングではありません。
“イエスタディは無意識に母のことを思って書いた歌なんだ。あの曲は夢のなかで浮かんだ曲だから、そうなのかもしれない”(2001年「TV Guide Magazine Group Interview」より)
そして後から歌詞をつけたわけですが、ポールに言わせると、この曲はラヴ・ソングではありません。
“イエスタディは無意識に母のことを思って書いた歌なんだ。あの曲は夢のなかで浮かんだ曲だから、そうなのかもしれない”(2001年「TV Guide Magazine Group Interview」より)
*********
今日ショッキングな出来事があった。
昨日まではそんなことが
僕の身に降りかかるなんて思ってなかったんだ。
今日ショッキングな出来事があった。
昨日まではそんなことが
僕の身に降りかかるなんて思ってなかったんだ。
なぜママは逝ってしまったのだろう
わからない ママは何も言わなかったから
昨日までは呑気で明るかった僕
ああ幸せだった昨日が懐かしいよ
恋もそうなんだ
昨日まで恋は簡単なゲームだと思ってた
僕を愛してくれる人はもう誰もいない
僕の居場所なんてどこにもないんだ
昨日までの陽気だった僕を取り戻せないのか
**********
どうしても昨日を振り返ってしまう
でも昨日が戻ってくるはずもない…
だからこの曲は名曲なんでしょうね…。

Songwriters
LENNON, JOHN / MCCARTNEY, PAUL
Published by
Lyrics © Sony/ATV Music Publishing LLC
Lyrics © Sony/ATV Music Publishing LLC
Released in 1965
US Billboard Hot100#1(4)
From The Album“Help!”

*原詞の引用は太字
Yesterday,
all my troubles seemed so far away
Now it looks as though they're here to stay
oh, I believe in yesterday
昨日まで
面倒なことなんかすべて
僕にとっては遠くのものと思ってた
それが今は目の前にあるみたいなんだ
ああ 僕は昨日を信じたい
Suddenly
I'm not half the man I used to be
There's a shadow hanging over me
Oh, yesterday
Came suddenly.
突然
僕は以前の僕ではなくなってしまった
暗い影が僕の頭の上を覆ってきたんだよ
ああ 突然だったんだ
昨日は戻ってこない
Why she had to go?
I don't know,
she wouldn't say
I said something wrong
Now I long for yesterday.
なぜ彼女は去ってしまったんだろう?
わからない
彼女は何も言わなかったから
僕が何か間違ったことを
口にしてしまったのだろうか?
幸せだった昨日が
今は懐かしくてたまらない
Yesterday
Love was such an easy game to play
Now I need a place to hide away
Oh, I believe in yesterday.
Love was such an easy game to play
Now I need a place to hide away
Oh, I believe in yesterday.
ああ昨日を思い出す
恋なんて簡単なゲームだと思ってた
いま僕は隠れる場所を探してるんだ
ああ 僕は昨日を信じていたい
Why she had to go?
I don't know, she wouldn't say
I said something wrong
Now I long for yesterday.
なぜ彼女は去ってしまったんだろう?
僕にはわからない
彼女は何も言わなかったから
僕が何か間違ったことを
口にしてしまったのだろうか?
幸せだった昨日が
今は懐かしくてたまらない
Yesterday
Love was such an easy game to play
Now I need a place to hide away
Oh, I believe in yesterday...
昨日を思い出す
恋なんて簡単なゲームだと思ってた
でも今 僕は 自分の隠れ場所を探してる
ああ 昨日はもう帰ってこない…
日本語訳 by 音時

「Yesterday」はアルバム「4人はアイドル(Help!)」収録曲なのですが、アメリカではキャピトルレコードが“Yesterday”のタイトルを使った「イエスタデイ・アンド・トゥデイ」という編集アルバムが作られました。このアルバムの収録曲は「4人はアイドル」「ラバー・ソウル」「リボルバー」の各アルバムの収録曲の一部に、シングルとして発表された「恋を抱きしめよう」、「デイ・トリッパー」の2曲を加えて編集されたものでした。

◆カメラマンの「ポップ・スターのアルバムジャケットの常識を破りたい」という悪ノリがあり、バラバラになった人形や肉片をメンバーが持ったものが作られましたが、評判の悪さから発売の5日前にジャケットは差し替えになりました。
差し替え前のものは「ブッチャー・カバー」と呼ばれるコレクターズ・アイテムとなったというのも有名な話ですね!(通常ジャケットは「トランク・カバー」と呼ばれました)

★シングル発売当時は「イエスタディ」はリンゴの歌うカントリーのカバー曲「アクト・ナチュラリー」とのカップリング。いや、レコード盤でもアクト・ナチュラリーがリンゴの皮でA面、イエスタディがリンゴの断面でB面扱い、印刷もアクト・ナチュラリーが上で、B面扱いだったようですね。ビートルズはこんな曲も歌うんだよ、とカントリーファンにもアピールした?のでしょうかね。
(この記事で参考にしたページ)
・「もっとビートルズ!」音楽之友社
・文藝別冊「総特集 ポール・マッカートニー」河出書房新社
・Wikipedia Yesterday
・Wikipedia Yesterday and Today
コメント
コメント一覧 (8)
これには一時期ナポリ民謡「ベニスの謝肉祭」が挙げられいましたが信憑性が低いため一部のマニアが騒いだだけだと思います。80年には再結成の話があったとか(?_?)
海外ではポールがビートルズやソロの曲を自ら解説した本が今月発売されたようでそれにこの曲が記載されるといいですね!日本版は今ところ未定です。
実はこの曲に関しては、一時期パクリ疑惑も出ていたそうで、それがどうもナントカ(?)というナポリ民謡が元ネタではないかとのこと。
ところで今から20年ほど前に、CD店でクラシックのCDを品定めしていたら、突然、その『Yesterday』にそっくりのバロック音楽がBGMで流れてきました。
さすがに、これにはビックリしました。
これはビートルズの曲をバロック調にカバーしたもだったのか、それともヘンデルかバッハのオラトリオの一節だったのか。
私はその曲の前後の流れからして、後者ではないかと思っているのですが。
だとしたら、ポールが見た夢の話はいったい何だったんだろう。
あのとき店員さんに、「この曲、なんて言いう曲ですか?」と尋ねられなかったことを、すごく後悔しています。
ちなみに「イエスタデイ バロック」で検索したところ、それらしき曲は見つかりませんでした。
ついでにその時に聞いた「イエスタデイもどき」の印象はと言えば、私達が知っている静かな曲とは大違い。
とにかく壮大なるオーケストラの演奏が、とても印象的でした。
それでも、「あれっ? これってイエスタデイ?」って思ったぐらいですから、当時聞いた印象としては、よっぽどそっくりだったんでしょうね。
もしよろしければ、そこら辺の事情に詳しい方がおられたら教えてほしいです。
ありがとうございました。
音時さんに言われてまた気がつきました!
イエスタデイの意味、ここで初めて知りました!スクランブルエッグだったのですね、ほんとは。
今からでも謝りたい!
中3の時に付き合ってた男の子と交換日記なるものをしてまして、告白されて、自己紹介だの、なんだのと書き…
何がきっかけだったのかもう覚えてないんですが、突然、なんか一方的に思いっきり振ったんです。
私、好きな人がいますみたいな。
そしたら最後にイエスタデイのこの全文が日記に書いてあったんです。机の中に入ってました( ; ; )
40数年訳も調べず、ずっと忘れてました。。
どうしているかな…
彼、達筆でした^o^
長々と失礼しました。