やれるだけのことをやりな
今晩できることをさ
さあ行きな 喧嘩してもいいじゃない
今晩思い切りやっちゃいなよ




 イアン・マシューズのTop40ヒットはこの曲"Shake It"一曲。イアンは1967年にフェアポート・コンヴェンションに参加、1969年に脱退し、自分の名前のつくバンド"マシューズ・サザン・コンフォート"を結成し、3枚のアルバムを発表します。1971年にはジョニ・ミッチェル作、C.S.N&Yも取り上げた"Woodstock"をカバーして全米23位のヒットにします。

 しかしバンドは短い期間で 1972年に解散してしまい、イアンはソロ活動となります。そのなかで自分も曲作りをすると同時に他のソングライターの作品も取り上げました。「Shake It」はテレンス・ボイラン(シンガーソングライター)の作品のカバーでこれが全米13位の大ヒットとなります。

イアン・マシューズ(Ian Matthews)について...カケハシ・レコードさんWebサイト
テレンス・ボイラン(Terence Boylan)について…芽瑠璃堂さんWebサイト

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◆「Shake It」の大ヒットに際して、イアンはRolling Stone誌の取材に対して次のように言っています。
「俺は前と別なことをやったとは思ってないんだ。これは俺に対しての褒美なんだと思うね。やっぱり俺は14年か15年の間、やりたいことだけをやり続けてきたんだよ」
(たった一曲のスーパーヒット2 1968-1984年;音楽之友社)より。

(Terence Boylan)
Lyrics c Universal Music Publishing Group, Warner/Chappell Music, Inc

Released in 1979
US Billboard Hot100#13
From The Album"Stealin' Home"

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"Shake It"lyrics(英語詞はこちらのサイトからいただきました)
:原詞は太字

Here she comes ridin'
Rollin' it down the line
Slipin' and slidin'
Takin' her sweet old time

ほら彼女がやってくる
自転車をこいで こっちにまっすぐに
すべったり 転んだり
昔の楽しい話をおしゃべりしながら

And laughin' all the way to the parking lot
Knowin' in the back of her mind
She's gonna show the boy
what she's really got
And stop him in the nick of time

駐車場に着くまで笑いっぱなしだけど
彼女は心の奥底では気づいてる
本当の自分が大切にしてるものを
男性に見てもらいたいんだって
関係がいい感じになるまで
その男性をつなぎとめておきたいのさ

Shake it baby,
shake it all you can tonight
Go on and, and break 'em baby
Break 'em all you can tonight
'Cause it won't last forever
But do it for worse or for better
And give the boy somethin'
to dream on later


やるだけのことをやるがいいよ
今夜できるだけのことをね
さあ行きな 喧嘩しちゃってもいいさ
思い切りやっちゃえばいいじゃないか
だってそんなこと長くは続かない
だからやるだけやればいい
あとでそいつに
何かいい夢見せてやればいいんだよ

Here she comes slidin'
Shakin' it down the hall
She's got a picture in her locker
An autographed basketball


ほら彼女が滑り込んでくる
廊下をウキウキしながらやってくる
ロッカーの中には写真が一枚
サイン入りのバスケットボール

She's got a purse
that was made in Mexico (Mexico)
A mind that was made for love
She's got a new way of dancin' slow
She knows what you're thinkin' of


彼女はメキシコ製の財布を持ってる
恋する気持ちでいっぱいなんだ
スローに踊る流行りのダンスも覚えたし
きみが考えてることもお見通しさ

Shake it baby,
shake it all you can tonight
Go on and, and break 'em baby
Break 'em all you can tonight
'Cause it won't last forever
But do it for worse or for better
And give the boy somethin'
to dream on later

急いでやりな ベイビー
今夜 やるだけやってみればいい
さあ行きな 喧嘩しちゃってもいいんだよ
今夜思い切りやっちゃえばいい
悪いこともそんなに長くは続かない
だからやるだけやればいい
あとでそいつに
何かいい夢見せてやればいいんだよ

It won't last forever
But do it for worse or for better
And give the boy somethin'
to dream on later, and


物事は変わっていくものさ
だから やらなきゃ損なんだ
あとでそいつも
いい夢みるよきっとね

Shake it baby,
shake it all you can tonight
Go on and, and break 'em baby
Break 'em all you can tonight
'Cause it won't last forever
But do it for worse or for better
And give the boy somethin'
to dream on later


急いでやりな 応援してるから
今夜できるだけのことをね
さあ行け ガツンとやっちゃいな
思い切りやってスカッとしなよ
悪いことなんて長くは続かない
だから 実行するのが大事なんだ
あとでそいつに
何かいい夢見せてやればいいんだよ…
さあ遅れるな
僕はきみの応援団なんだから...

(Words and idiom)
down the line=完全に 徹底的に
in the back of one's mind
=心の奥底では
in the nick of time
=頃合いを見計らって
shake it=急ぐ
for worse or for better
=よかれあしかれ
autographed=サイン入り


日本語訳 by 音時

 う~ん、この曲は完全に意訳だな(-_-;)。でも歌詞の物語が和訳しても今いちよくわかりません。

◆僕の解釈としては、登場人物の設定として、2名が登場します。

(A)・・・年頃の女性、恋をしたがってる女性?
陽気な性格ではあるが、内面はナイーブ。自分のなかに大切なものを持っていて、恋愛感としてもその大切なものを共有できる相手がほしい。流行のものを身に付けなきゃと努力するのだが実は苦手。まだ学生の様子。顔はわからないがイメージはアルバム「Stealin' Home」のアートワークにいる白いTシャツの女の子。

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(B)・・・男性。いつも(A)を励まし、温かく見守っている。


(A)は(B)を恋愛対象とは見ていない。同級生かもしれないけど、もしかしてお兄さんやおじさん?さらに妄想すると、「恋愛の神様」が温かく見守っているのかも?
 "Shake It"は"急げ~"って意味や"腰をふって"って意味ではありますが、単純に急がせるのではなく"今晩時間は限られてるけど、そのなかでやるだけのことを精いっぱいやりなよ"ってことじゃないかなと思いました。

 "Shake it、Baby"は、"ファイトだ、ベイビー、俺が付いてるゼ"って感じじゃないですかね。


◆"シェイク・イット"が最高位13位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles February 17, 1979

1位はロッド"俺ってセクシー?"。2位は村人Y.M.C.A。9位「夜のしじまに」、10位「ダンスに夢中」。

-1 1 DA YA THINK I’M SEXY –•– Rod Stewart
-2 2 Y.M.C.A. –•– The Village People
-3 4 A LITTLE MORE LOVE –•– Olivia Newton-John
-4 5 FIRE –•– The Pointer Sisters
-5 7 I WILL SURVIVE –•– Gloria Gaynor

-6 6 EVERY 1’S A WINNER –•– Hot Chocolate
-7 3 LE FREAK –•– Chic
-8 10 LOTTA LOVE –•– Nicolette Larson
-9 11 SOMEWHERE IN THE NIGHT –•– Barry Manilow
10 12I WAS MADE FOR DANCIN’ –•– Leif Garrett

11 8 SEPTEMBER –•– Earth, Wind and Fire
12 14 GOT TO BE REAL –•– Cheryl Lynn
13 15 SHAKE IT –•– Ian Matthews


◆テレンス・ボイランのオリジナル。イアンより少々ゆっくりで歌う。POPSというよりジャクソン・ブラウンに近いか。後半のギターのフレーズや音色もいい。



◆1973年のアルバム「Valley Hi」から「Keep On Sailing」、スライドギターがとても爽やかな曲です。




(この記事で参考にしたページ)
・Wikipedia Ian Matthews
・たった一曲のスーパーヒット2 1968-1984年 (音楽之友社)